新技術で施工効率化
2025-10-03 09:29:09

覆工コンクリート施工の新技術、効率化を実現したシステムとは

覆工コンクリート施工の生産性向上に向けた新技術



背景


建設分野において、効率的な作業を実現し生産性を向上させることは非常に重要です。株式会社奥村組と北陸鋼産株式会社が共同開発した「自動打設システム」と「養生温度制御システム」は、特に山岳トンネルの覆工コンクリート施工における労力削減とタイムマネジメントを実現しました。その詳細について見ていきましょう。

自動打設システムの概要


自動打設システムは、従来の手作業に依存する打設作業を大幅に改善する目的で開発されました。このシステムは、「高速打設システム」と「圧力計による打設高さ検知システム」を組み合わせており、これにより期待されるのは、作業の自動化と労力の削減です。具体的には、予め設定した高さに応じてポンプの圧送速度やバイブレータの稼働が自動的に制御されるため、職人の腕前に左右されることなく安定した品質が保証されます。

実際の現場適用に先立ち、技術研究所で行われた実験でもその有効性が確認されました。自動化によって、人手不足が懸念される現在の建設業界においても、作業の安定性が向上しました。

養生温度制御システムの仕組み


養生温度制御システムは、コンクリートの温度を監視し、その強度発現をリアルタイムで測定することができます。このシステムでは、若材齢コンクリートの特性を考慮し、所定の時間内に必要な強度まで温度をコントロールします。具体的には、発熱体への電力供給を自動制御することで、コンクリートが適切な条件下で養生されることを保証します。

このシステムによって、型枠を脱型する際に必要不可欠な強度を容易に管理でき、ひび割れや強度不足を防ぐことができます。

現場での適用事例


実際には、中日本高速道路株式会社名古屋支社の「東海環状自動車道養老トンネル北工事」において、これらのシステムが適用されました。特に注目すべきは、覆工コンクリートの施工サイクルタイムが従来の2日から1日へと大幅に短縮された点です。セントルの脱型と移動にはわずか3時間、コンクリートの打設作業に5時間、そしてその後の養生が14時間で完了するという驚異的な効率です。

また、この取り組みにより月ごとの施工進捗は150mに達し、生産性の向上が明確に示されました。

今後の展望


今後は、今回の取り組みを他の現場にも展開し、さらなる施工効率化を目指していく方針です。単なる覆工コンクリートの施工にとどまらず、山岳トンネル全般にわたる生産性の向上を図るために開発を進めていきます。現代の建設業界では、このような技術革新が不可欠であり、次世代の施工方法への道を開くものと期待されています。

お問い合わせ先


この新技術に関する詳しい情報やプロジェクトへの参加に興味がある方は、株式会社奥村組までご連絡ください。技術本部技術研究所企画管理グループが対応します。


この革新技術によって、未来の建設業界がどのように進化していくのか、注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社 奥村組
住所
大阪府大阪市阿倍野区松崎町二丁目2番2号
電話番号
06-6621-1101

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