洋上風力発電案件形成を加速
2024-06-26 16:37:45

JOGMECとビューローベリタスジャパン、国内洋上風力発電案件形成加速化に向けた連携強化

JOGMECとビューローベリタスジャパン、洋上風力発電案件形成の連携強化で加速へ



JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は、2024年6月24日にビューローベリタスジャパン株式会社との間で、国内洋上風力発電の案件形成加速化に向けた基本協定を締結しました。

この協定により、政府の「セントラル方式」の一環としてJOGMECが実施する洋上風力発電に係る海底地盤・風況・気象海象に関するサイト調査の結果が、発電事業者の案件実現に貢献すると期待されています。

JOGMECは、2023年度より、国内洋上風力発電の案件形成初期段階から政府が主導的に関与する「セントラル方式」に基づき、北海道と山形県の計6区域でサイト調査を実施しています。これらの調査結果は、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)に基づく促進区域のうち、国が実施する洋上風力発電事業者公募に応募する事業者に提供される予定です。

2021年に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、2030年度までに570万キロワットの洋上風力発電導入を目指しており、2020年に策定された洋上風力産業ビジョン(第1次)でも同じく2030年までに1,000万キロワットの案件形成を目指しています。これらの目標達成には、案件形成の加速化が不可欠であり、今回の協定はその取り組みの一環として位置付けられています。

JOGMECは、サイト調査結果が風力発電設備の設置場所の現地環境条件や運転条件に対する適合性確認プロセスに貢献することを目指し、登録適合性確認機関であるビューローベリタスジャパンとの連携を強化することで、洋上風力発電の運転開始に向けたプロセスの効率化を目指しています。

セントラル方式とJOGMECの役割



再エネ海域利用法が施行された2019年以降、複数の事業者が同一海域で調査を実施することで漁業関係者や地元住民の活動に影響が出る懸念が生じていました。この課題を解決するため、JOGMECは2022年度に独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法を改正し、政府主導の「セントラル方式」を導入しました。

セントラル方式においてJOGMECは、発電事業の採算性分析に必要な情報を取得するため、海底地盤・風況・気象海象に関するサイト調査を実施し、その結果を事業者に提供することで、洋上風力発電における調査の重複を解消し、案件形成の効率化・加速化に貢献することを目指しています。

ビューローベリタスジャパン株式会社について



ビューローベリタスは、1828年に設立された世界最大級の第三者試験・検査・認証機関で、82,000名以上のエキスパートスタッフが世界140カ国で業務を展開しています。風力発電分野では、電気事業法に基づき、登録適合性確認機関として登録されており、日本における風力発電所(陸上・洋上)に係る適合性確認を実施しています。

今回の協定締結により、JOGMECとビューローベリタスジャパンは、適合性確認を見据えたサイト調査に関する情報共有などを進め、洋上風力発電の運転開始に向けたプロセスの効率化に取り組む予定です。

日本の洋上風力発電、新たなステージへ



JOGMECとビューローベリタスジャパンの連携は、日本の洋上風力発電にとって大きな転換点となる可能性を秘めています。これまで、洋上風力発電の開発には、事業者の独自調査や複数の事業者による重複調査など、時間とコストがかかる課題がありました。しかし、今回の協定によって、JOGMECが実施するサイト調査結果を活用することで、これらの課題を解決できる可能性が出てきました。

特に、政府が主導する「セントラル方式」は、洋上風力発電の開発を効率化し、加速化する上で重要な役割を果たすと期待されています。JOGMECが実施するサイト調査は、発電事業者の案件実現を支援するだけでなく、環境への影響を最小限に抑え、地域住民との共存を図る上でも重要な役割を果たすと考えられます。

ビューローベリタスジャパンは、風力発電分野における豊富な経験と専門知識を持つ機関です。JOGMECとの連携によって、洋上風力発電の適合性確認プロセスを効率化し、安全性の高い発電所の建設に貢献することが期待されます。

今回の協定は、日本の洋上風力発電が新たなステージへと進むための重要な一歩となるでしょう。両機関の連携が、日本のエネルギー政策の目標達成に大きく貢献することを期待しています。

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