博報堂、持続可能な食文化への挑戦
株式会社博報堂が、慶應義塾大学が発信するスタートアップ企業「フェルメクテス」に出資することが発表されました。これは、微生物由来の発酵性タンパク質を通じて、新しい食の選択肢を提供することを目的とし、持続可能な食文化の創出を促進する取り組みの一環です。
フェルメクテスの誕生と発酵性タンパク質
フェルメクテスは2021年に創立され、慶應先端生命科学研究所の研究成果をもとにしています。彼らの主な焦点は、納豆菌を利用した発酵プロセスを通じて生まれる「発酵性タンパク質」の実用化です。この新しいタンパク質は、特に気候変動や人口増加に伴う「タンパク質危機」に対策するための重要な要素として期待されています。
NEO食材「kin-pun®」の特徴
同社が展開する新しい食品ブランド「kin-pun®」は、納豆菌を直接タンパク質源として粉末化した製品です。このプロダクトは普段の食生活に取り入れやすく、家庭でのタンパク質摂取を容易に高めることが可能です。地球環境に配慮した “NEO食材” として、これからの食文化に貢献しようとしています。
博報堂の出資背景と目的
今回の出資は、博報堂と慶應先端研が2024年に結んだ「ソーシャルイノベーション創出および人材育成に関する包括連携協定」に基づくもので、両者が連携を強化し、先端技術を用いた食文化の革新を追求していくことを示しています。この協定のもと、博報堂は自身のクリエイティビティとマーケティング知識を用いて、フェルメクテスの技術を広めるための新たな食文化の価値を提案します。
生活者発想の新たな価値提案
博報堂のミライデザイン事業ユニットは、様々な企業やアカデミアと連携しながら、持続可能な未来を見据えた取り組みを行うものです。このプロジェクトによって、単なるタンパク質の供給ではなく、生活者のニーズに応える新たな食文化を作り上げていきます。
未来の食文化を創造する取り組み
フェルメクテスとの共同プロジェクトへと発展させることにより、発酵性タンパク質の実社会への導入を進めていく計画です。このような出資が持続可能な食の未来を形作る助けになるとともに、バイオテクノロジーを起点にした革新が広がることを期待しています。
社会課題解決に向けたイノベーション
今後も博報堂は持続可能性に寄与する新しいアイデアを追求し、社会課題の解決に向けたイノベーションの創出を目指します。彼らのビジョンは、未来の食文化の進化において重要な役割を果たすことでしょう。
フェルメクテス株式会社の概要
- - 会社名:フェルメクテス株式会社
- - 所在地:山形県鶴岡市覚岸寺字水上246番地2(鶴岡市先端研究産業支援センターF棟06室)
- - 代表者:代表取締役CEO 大橋 由明
- - 設立:2021年7月
- - URL:フェルメクテス
- - 事業内容:微生物由来の発酵性タンパク質の研究開発および製造。新タンパク質食品ブランド「kin-pun®」の展開。関連技術の食品・飼料分野への応用。
持続可能な食の未来を目指すフェルメクテスは、今後の展開に注目です。