AIアプリ「さよりんのお悩み相談室」の運用実績と今後の展望
三陽工業株式会社が2024年8月19日から運用を開始したAIを活用したアプリケーション「さよりんのお悩み相談室」が注目を集めています。サービス開始から約1ヶ月半で160件の相談が寄せられ、社員達の業務上の悩みや疑問を解決するための重要な補助ツールとなっています。このアプリケーションは、三陽工業の社員によって全て開発され、社内の業務改善やメンタルヘルス支援に寄与しています。
開発に至る経緯
三陽工業では、社内で策定された「三陽スタンダード」という行動指針がありましたが、具体的なガイダンスが不足しているとの声が多数ありました。この課題に応えるため、社員有志が「三陽ルールブック」を作成しました。このルールブックは、業務に関する具体的な指針を50カ条にまとめていますが、内容を全て記憶するのは難しく、新たなアプリケーションの必要が生じました。
製造派遣業を手掛ける三陽工業では、各取引先から提出される多様な勤怠表を集計する作業が毎月行われ、それに伴う業務負担軽減のためAIの導入が検討されていました。その結果、業務における悩みを気軽に相談できる環境を整えようと「さよりんのお悩み相談室」の開発が始まりました。開発チームは、自社内でこのアプリを作成することに強い想いを持ち、外部への依頼は行いませんでした。
実際の運用状況と社員の声
運用開始から短期間で寄せられた160件の相談内容は多岐にわたり、実際に利用した社員の声も非常に好評です。以下は、利用者の生の声です:
- - 社員A(23歳・女性): 「困った時にさよりんが共感してくれるので、悩みが軽くなりました。」
- - 社員B(35歳・男性): 「具体的なアドバイスをもらえたことで、業務に対するモチベーションが上がりました。」
- - 社員C(29歳・女性): 「プライベートの悩みも気軽に相談でき、親しみやすい対応に心が和みました。」
このように、アプリは社員のプライバシーに配慮しつつ、的確なアドバイスを提供しており、効果的な業務支援を実現しています。
開発時のチャレンジ
「さよりん」の口調をいかに自然にするかが最も苦労した点の一つです。さよりんは企業のマスコットキャラクターとして多くの人にファンが多く、その親しみやすさが求められました。しかし、AIの回答が硬い印象を与えないようにするためには、繰り返しの改善が必要でした。このトライアンドエラーの過程を経て、ユーザーに寄り添うAIとしての適切な表現を見つけ出しました。今後も、社員が気軽に相談できる環境作りを続けていきます。
今後の展望
AI技術は急速に進化を遂げています。三陽工業は「シンカ」を掲げ、今後もこの分野での技術革新についていくよう努める所存です。「さよりんのお悩み相談室」のさらなる機能拡充や利用者のニーズに応え続けることで、日本の製造現場を元気にする一助を担っていきたいと考えています。社員が働きやすい職場作りに貢献し、誰もが気軽に相談できる環境を整えてまいります。
会社概要
- - 商号: 三陽工業株式会社
- - 代表者: 井上 直之
- - 所在地: 兵庫県明石市大久保町江井島1388番地
- - 設立: 1980年3月24日
- - 事業内容: 製造業、製造派遣事業
- - URL: 三陽工業