J.D. パワーが発表した2025年携帯電話サービス調査
株式会社J.D. パワー ジャパンが実施した2025年携帯電話サービスに関する顧客満足度調査の結果が発表されました。この調査は、2021年の結果と比較し、さらに大手キャリアやMVNO(仮想移動体通信事業者)など、4つの部門に分けて満足度を計測するものです。
調査の概要
2025年の調査は、スマートフォンユーザーを対象に、通信品質や料金、サービスメニュー、提供端末など、様々なファクターについて評価を行っています。総合満足度のスコアは1,000満点の623ポイントで、前年とほぼ同じ水準を維持しています。特筆すべきは、特にMVNOやオンライン専用ブランドにおいて「通信品質」の評価が低下している点です。MVNO部門では前年度比で10ポイント、オンラインブランドでは17ポイントの減少が見られました。
通信品質の低下の背景
MVNOは大手キャリアの回線を利用しているものの、その影響で通信品質が期待通りでないと感じているユーザーが多いことが原因と考えられます。オンライン専用プランでも、ブランドのできるだけ顕著な数値の低下が確認され、今後の改善が求められています。
料金プランの値上げの許容範囲
ここ最近では、各携帯電話事業者が料金プランの値上げを検討している様子がうかがえます。調査によると、全体の52%が「現在の料金を維持すべき」と考えており、それに対して非常にシビアな姿勢を示すユーザーが多いことが明らかになりました。しかし、3割超が100~300円程度の値上げであれば仕方がないと考えていることも興味深いデータです。
特にMVNO部門ではこの意向が44%に達し、若干の料金上昇には理解を示す声が聞かれました。今後、携帯事業者はユーザーとのコミュニケーションを強化し、値上げの背景や新たな付加価値をどのように伝えるかが重要な課題となるでしょう。
総合満足度ランキング
調査結果の中から、各部門における総合満足度ランキングも注目のポイントです。
大手キャリア部門
1.
docomo(604ポイント) - 5年連続の総合満足度第1位
2.
SoftBank(604ポイント) - 各種費用、サービスメニューが高評価
バリューキャリア部門
1.
UQ mobile(645ポイント) - 提供端末と手続き・サポート対応が評価
2.
Y!mobile(645ポイント) - 4年連続の満足度1位、通信品質が高評価
MVNO部門
1.
日本通信SIM(695ポイント) - 2年連続の満足度第1位、通信品質が評価
2.
mineo(662ポイント)
3.
IIJmio(660ポイント)
オンライン専用ブランド/プラン部門
1.
povo(703ポイント) - 2年連続第1位
2.
LINEMO(672ポイント) - さらに多くの評価を得る重要なブランド
このように、顧客満足度に対する「通信品質」「料金」「サービスメニュー」が今後も引き続き注目されるでしょう。また、ユーザーの期待に応えるため、特にオンライン専用ブランドやMVNOでは、これからの品質改善が求められていくことでしょう。万が一の値上げがある場合も、いかにユーザーが納得してくれるか、携帯事業者にとっての大きな挑戦となります。