世界のコットンブリーダーSally Fox氏が語る
2025年6月19日、東京都港区のMNインターファッションが主催する「UNDYED」ブランドの特別講演会に、著名なコットンブリーダーであるSally Fox氏が登壇しました。このイベントは、環境に配慮し、染色を行わない素材の重要性を再確認する貴重な機会となりました。
Sally Fox氏の経歴と業績
Sally Fox氏は、40年以上にわたって無染色オーガニックコットンの普及と品種改良に取り組んできた先駆者です。生物学や昆虫学に基づいた彼女の研究は、天然有色綿の可能性を引き出す革新として注目を集めています。彼女のコットンは農薬や染料を使用せず、自然な風合いをそのまま楽しめることが特徴です。
講演のテーマ
講演テーマは「自然本来の色彩、染めないここちよさ」。Sally氏は、学生時代に染料による健康被害を目の当たりにした経験から、自然な素材に目を向けるようになった背景を語りました。また、有色綿の品種改良における課題やアメリカの繊維業界の変遷についてもお話しされ、参加者を魅了しました。
共同登壇者と質疑応答セッション
講演には、長年にわたりSally氏と共に活動を続けている大正紡績株式会社の水野鴻介氏も参加し、両者の共同作業の歴史を語りました。質疑応答セッションでは、エシカルな製造プロセスや無染色素材の市場展望についての活発な意見交換が行われ、参加者たちの関心の高さが伺えました。
UNDYEDの取り組み
「UNDYED」ブランドは、自然の色彩を最大限に活かすことを目指しています。白だけでなく、古代から受け継がれた茶色や希少な緑綿を使用し、それらの特性を活かしつつ、環境への負荷を低減するよう努めています。また、染色を行わないことで得られる柔らかな風合いが、肌に優しいと評判です。
未来に向けたビジョン
「NATIVE COLORS OF THE NATURE」の理念のもと、UNDYEDは環境に優しい選択肢を提供し続けることを目指しています。今後のアパレル業界で持続可能な素材がさらに広まり、未来に向けた選択肢が増えていくことを願っています。
参加者の声
参加者の中には、国内のセレクトショップの担当者が多く、多岐にわたる質問が寄せられました。特に「サステナブル素材の可能性」といったテーマに対しては、関心が非常に高かった印象があります。今回の講演会を通じて、今まで以上に多くの人がサステナブルなファッションに興味を持ち、積極的に選択できる未来が開けることでしょう。
このように、Sally Fox氏の講演は感動に満ちたものでした。彼女の経験や理念は、私たちのファッションに対する考え方を根本から変えてくれるかもしれません。今後、エシカルな素材を使った新たな商品の展開が期待されます。