熊害や自然災害に立ち向かう新たな避難シェルター『クマコン』
昨今、全国で熊の人身被害が増加しており、特に2022年には219件に達しました。このような中、株式会社ジャカコン東日本が開発した新しい避難シェルター『LIFE SHIELD CONTAINER(愛称:クマコン)』が注目を集めています。この多機能型避難シェルターは、熊の襲撃だけでなく、地震や豪雨などの自然災害からも人々を守る設計です。
プロジェクトの背景
環境省のデータによれば、最近10年間で熊による被害の件数は約2倍に増加しています。加えて、自然災害の頻発が避難所にたどり着くまでの時間や、安全な避難環境が求められる課題を浮き彫りにしています。これまで、熊や自然災害への備えは行政や専門機関に依存しがちでしたが、個々人が自分自身と家族の命を守るための安全な空間の確保が重要です。そこで、ジャカコン東日本は海上輸送用コンテナという国際規格の強靭な構造を活用し、これに人々の命を守る機能を加え、クマコンの開発に至りました。
強固な構造と多機能な設備
クマコンは、外装に耐候型のポリウレア塗膜を使用しています。この塗膜は、熊の爪痕や衝撃、腐食からシェルターを守り、長期間のメンテナンスフリーを実現しています。内部には、72時間滞在可能な備蓄モジュールが装備されており、飲料水や非常食、救急箱、毛布などが完備されています。さらに、ソーラー蓄電システムとUSB充電ポートを備え、停電時にも照明と通信が確保できます。
加えて、PIR赤外線センサーと振動センサーは熊の接近を感知し、100dBの電子サイレンやLEDストロボを自動で作動させ、利用者の安全を確保します。これにより、熊の襲撃時でも迅速に対応できる仕組みが整えられています。
製品の展開
クマコンは、設置環境に応じて12ft、20ft、40ftの3タイプが展開され、家庭用、自宅の庭やキャンプ場にも適しています。2025年12月から販売が予定されており、今後はソーラー発電機能を強化したモデルやコンパクトな個人向けモデルの開発も進められる予定です。ジャカコンは、全国で100基の設置を目指し、防災社会の実現に向けた取り組みを強化していく方針です。
ジャカコンの将来展望
これに加えて、農林水産省の鳥獣被害防止総合対策にかかる交付金や地域防災計画補助金についても取り組みを進め、自治体などが導入しやすいモデル作りを目指しています。また、販売代理店の募集も予定されており、様々なユーザーにこの優れたシェルターを提供する体制を整えています。
代表の思い
「熊の襲撃や自然災害の脅威に応えるため、どのように命を守ることができるかを考えた結果がクマコンです。このプロジェクトが、人々に安全な避難の選択肢を提供できれば幸いです。」と、代表取締役の木尾昌睦氏は語っています。彼の信念がこのシェルターには込められており、私たちにとってこの防護装置がどれほど重要であるかを再認識させられます。
熊害や自然災害から命を守るための新しい手段として、『クマコン』はこれからの防災インフラとしての役割が期待されます。