新素材研究に挑む株式会社三幸の次世代モノづくりとは
株式会社三幸は、東京都の浜松町に本社を構えるモノづくり企業です。半導体製造関連の部品や精密機械の製造を手がけ、着実に事業を拡大しています。近年、産学連携による新素材の開発に注力し、業界の注目を集めています。この企業の代表取締役社長、奥野敦氏に直接お話を伺い、彼らの事業の背景や展望について深掘りしていきます。
商社から製造業へ、ビジネスモデルの転換
三幸は1969年に創業し、当初はカーボンやセラミックスの商社としてスタートを切りました。しかし20年前から、製造業へと軸足を移し、顧客のニーズに合わせたモノづくりを行っています。顧客と共に製品をゼロから設計し、製造、性能評価、さらにはメンテナンスまで一貫したサービスを提供することで、事業を成長させてきました。
「現在、売上の70%が製造部門から来ています。弊社は少量多品種の製品を短納期で提供するという強みがあり、この優位性を活かして半導体市場でのシェアを拡大しています」と奥野氏は語ります。
研究開発への新たな挑戦
同社は過去数年間、名古屋大学や東北大学との共同プロジェクトによる新素材の研究開発に乗り出しています。特に新たに設立したベンチャー企業U-MAPでは、軽量で熱伝導率の高い新素材の開発に取り組み、電気自動車などへの応用が期待されています。
「新素材の開発はモノづくりの最前線であり、私たちの強みを最大限に活かせる分野です」と奥野氏。窒化アルミに関する研究は、今後の製品としての量産化も視野に入れて進んでいます。東北大学とのEXAプロジェクトでは、医療機器に利用されるシンチレータの育成装置が開発される予定です。
産学連携の価値
三幸が特に力を入れているのは、大学との産学連携による研究開発です。大学研究者たちとの密なネットワークを活用し、ニーズに応じた製品を提供することで、新たなビジネスチャンスを生む仕組みが整っています。奥野氏によれば、こうした関係性は同社の事業成長において欠かせないものです。
東京という立地の恩恵
株式会社三幸が位置する東京都港区浜松町は、交通アクセスの良さや国際的な特性が際立っています。「東京には多くのイベントが行われており、最先端の情報をキャッチしやすい環境です。また、助成金などの制度も充実しており、新しいチャレンジを支える体制が整っています」と奥野氏は言います。これにより、企業活動がより活性化されるのです。
将来に向けたビジョン
三幸は新たな結晶育成炉を自社で製造する計画も進行中です。「これにより、製造の効率が上がり、私たちの強みをさらに活かすことができると期待しています」とのこと。新素材研究は同社の未来を拓く鍵であり、今後の成長に十分な可能性を秘めています。
会社概要
- - 会社名: 株式会社三幸
- - 所在地: 東京都港区浜松町2丁目5番地5号PMO浜松町8階
- - 設立: 1969年
- - 事業内容: カーボン、セラミックスなどの加工品および半導体製造装置関連部品の開発・製造
結論
新素材を核にした株式会社三幸の挑戦は、未来のモノづくりの姿を私たちに映し出しています。産学連携の価値を活かし、進化する素材開発がどのように企業の成長に寄与していくのか、目が離せません。