京セラ、業界初の高粘度インクジェットプリントヘッドの開発
京セラ株式会社は、新たなピエゾアクチュエータと流路技術を駆使して、業界初となる高粘度材料に対応したインクジェットプリントヘッドを開発しました。これにより、従来の技術では難しかった製造プロセスの革新が期待されています。
新技術の背景と特長
インクジェット技術が持つ高効率な材料使用の特性は、環境に優しく、持続可能な製造の実現に寄与することが証明されています。特に、電子回路や半導体製造、アディティブマニュファクチャリングなどでの利用が急速に進んでいます。しかし、これまでのインクジェット技術では、高粘度の材料を安定的に吐出することが難しく、その範囲は限られていました。
京セラは、これまでのヘッド開発の経験を元に、特に塗装や3D印刷における高粘度材料の安定的な吐出を実現しました。新たに採用したピエゾアクチュエータ構造により、これまでに比べて最大16倍の粘度、そして20倍の液滴量の吐出が可能になりました。この技術革新は、さまざまな工業用途に新たな道を開くものとなるでしょう。
サステナビリティへの貢献
近年、製造業界では環境に配慮した持続可能なアプローチが求められています。インクジェット技術は、均一な微小液滴を必要に応じて吐出できるため、材料使用率が高く、廃棄物の削減が可能です。これにより、環境負荷の低減はもちろん、製品の生産効率も向上します。
自動車の塗装プロセスでは、外観デザインの多様化が進み、塗料ロスを削減するための実用化が求められています。今回の新しいインクジェットヘッドは、マスキング工程を簡素化し、作業負荷を低減する可能性があります。また、高粘度材料のメリットを生かし、製造プロセスのさらなる発展を促進します。
技術的な詳細
1. 新規アクチュエータの採用
新たに開発したピエゾアクチュエータは、従来の圧電ベンドモードを進化させ、吐出力を向上させることに成功しています。その結果、高粘度な材料の安定した吐出が可能になりました。
2. 流路構造の最適化
新しい循環型ヘッドは、吐出安定性を向上させるために流路構造を最適化しています。これは、独自の流体シミュレーションに基づいた設計により、安定した吐出を実現し、生産性と品質の両立をかなえています。
概略スペック
- - 解像度: 360dpi × 360dpi
- - 印字幅: 111.69mm
- - ノズル数: 1,584
- - 粘度: 80mPa・s
- - 液滴量: 280pL
この新たなインクジェットプリントヘッドは、製造業界における新しい可能性を切り開くと同時に、持続可能な地球環境の実現にも寄与する一歩となるでしょう。京セラは、引き続き技術革新を進め、ものづくりのデジタル化を牽引していく所存です。