株式会社商工組合中央金庫(商工中金)がAI-OCRソリューション「AIRead」とローコード開発ツール「Wagby EE」を採用し、勘定科目内訳明細書のデータ化システムを導入しました。これにより、商工中金の与信管理業務が大幅に効率化されます。
システム導入の背景
商工中金では従来、決算書のデジタル化が進んでおらず、与信管理業務において多くの作業が手動で行われていました。このため、業務の効率化が喫緊の課題であったのです。新しいシステム導入により、預貯金、売掛債権、買掛債務、借入金の内訳情報をデータベース化し、帳票の自動分類や読み取りが可能となります。また、金融機関や帝国DBコードへの自動紐づけが実現され、データの利用が一層進化していくことが期待されています。
期待される効果
このシステム導入には多くの利点があります。特に、業務効率化が図られることで、企業格付け作業の一部が自動化され、決算書登録作業が劇的に効率化されます。また、業務の高度化が進むことで、お客様の商流や実態把握が強化され、企業決算の資産査定の精緻化が見込まれています。さらには、商流データを元にしたビジネスマッチングの強化が行われ、お客様のニーズをより正確に把握し、最適なソリューションを提供することが目指されています。
導入事例の紹介
この導入事例は、2024年10月17日と18日に東京国際フォーラムで開催されるFIT(金融国際情報技術展)にて紹介される予定です。特に高い関心が寄せられるセミナー「商工中金が挑戦する決算書のデジタル化による与信管理高度化」では、最新の取り組みが詳しく説明されます。
AIReadとWagby EEの紹介
新たに導入された「AIRead」は、アライズイノベーション株式会社が開発した高度なOCRソリューションです。この技術は金融業界での使用実績が豊富で、企業内の様々な帳票データを高精度に読み取り、自動化を可能にしますと言われています。一方、「Wagby EE」は、直感的な操作で業務アプリケーションを迅速に構築するためのツールであり、プログラミングの知識がなくても使いこなせるのが特徴です。
アライズイノベーションと鈴与商事の役割
このシステムは、アライズイノベーション株式会社と鈴与商事株式会社の協力により実現しました。アライズはAI技術を駆使した企業向けサービスを提供しており、鈴与商事はエネルギー分野からデジタル化ソリューションまで多岐にわたるサービスを展開しています。両社の協力によって、商工中金の与信管理業務が格段に強化されていくことでしょう。
今後の展開にも期待が寄せられています。特に、企業の業務効率化を図るための新技術の導入が進む中、商工中金の取り組みは他の金融機関にも良い影響を与えることでしょう。業務効率化とサービス向上を支援するアライズと鈴与の取り組みが、今後どのように発展していくのか、さらに注目です。