CICSとBNCTの臨床試験について
株式会社CICSが、血管肉腫を対象としたBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の国内第Ⅱ相臨床試験で主要評価項目を達成したというニュースが発表されました。この臨床試験は、CICSが開発した加速器中性子捕捉治療装置「CICS-1」と、ステラファーマが提供するホウ素薬剤「SPM-011」を用いて行われました。
本試験は、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院で実施。対象となったのは、化学放射線療法や放射線治療が難しい局所進行または再発の切除不能な血管肉腫患者です。評価にあたる主要評価項目は「奏効率」であり、単群試験方式で進められた結果、期待以上の成果が得られました。
BNCTとはどのような治療法か?
BNCTは新しいタイプの放射線治療法で、がんの厄介な問題を解消する可能性を秘めています。患者はホウ素薬剤を体内に取り込んだ後、中性子線を患部に照射します。この照射により、ホウ素ががん細胞に集中し、反応を起こすことでがん細胞を選択的に破壊します。体への影響も軽微で、一度の照射で治療が終了する点も大きな特徴です。
CICSの目指す未来
CICSの2026年に向けた加速器中性子捕捉治療装置の実用化には、大きな期待が寄せられています。今回の臨床試験結果を基に、製造販売の承認を申請する考えがあるとのことです。また、試験結果に関する詳細な情報は、2023年10月にドイツで開催される「ESMO Congress 2025」にて発表される予定です。
リゾートトラストグループの取り組み
リゾートトラストグループは1994年にメディカル事業に着手し、以来がん治療に力を入れています。がん検診の導入など、国内の医療に貢献してきました。彼らの掲げるスローガン「ご一緒します、いい人生」も、この事業の一環として、がんで愛する人を失わない社会を目指しています。
まとめ
CICSが取り組むBNCTは、がん治療の新たな光をもたらす可能性があります。血管肉腫を対象にした臨床試験での成果は、その期待をさらに広げています。リゾートトラストグループが目指す「がん治療の新しいかたち」に向けて、これからどんな進展が見られるのか、今後も注目です。