道後温泉に咲くアートの美しき幻想
愛媛県松山市の道後エリアは、地元の文化と歴史をアートを通じて再発見する場として、2014年から活発な取り組みを行ってきました。その中でも、特に目を引くのが「蜷川実花 with EiM × 道後温泉 DOGO ART」というプロジェクトです。このプロジェクトは、2025年から2027年にかけて開催されており、温泉施設や周辺の商店街で蜷川実花さんとクリエイティブチームEiMの作品が展示されています。
椿をテーマにした新たなインスタレーション
2026年10月16日、道後温泉の旧床屋を使った新しいインスタレーション「椿」が公開されました。この作品では、赤や白の椿の花々が床や壁に散りばめられ、来場者に幻想的な体験を提供しています。美しい椿が咲き誇る様子と、枯れていく過程は、それぞれ異なる表情を見せ、鏡に映し出すことで空間全体に色と光の美しさが広がります。
このインスタレーションのある旧床屋は、歴史的な場所で、上人坂の入り口に位置しています。上人坂は一遍上人の生誕地とされる宝厳寺に繋がる道で、明治時代には色街として賑わいを見せていました。正岡子規をはじめとする多くの文人がこの地に魅了され、様々な詩や文学の舞台となってきました。
アートへの想い
蜷川実花さんは、この作品について「土地が持つ記憶や、そこで過ごした人々の記憶の上に作品を作り上げていくのがとても楽しい」と話しています。これは、ただのアートではなく、地域のストーリーを感じ取りながら楽しむことができる体験です。また、「椿は美しく咲いている瞬間だけでなく、花が落ちて朽ちていく様子も美しい。これは私たちの人生にも共通するテーマだと思う」と述べています。
昼と夜で異なる顔を持つ「椿」
「椿」は、時間帯によっても異なる魅力を発揮します。特に、日没後の空間は、映像の光と色彩が際立ち、昼間とは一変した幻想的な雰囲気が漂います。蜷川さんは、「昼と夜の違いを楽しんでほしい。夜になると、部屋全体が映像で包まれ、遠くからでもガラス越しに見える灯籠のような光が人々を魅了します」と語っています。
展示情報
「椿」の展示は、2026年10月16日から2027年2月28日まで、愛媛県松山市道後湯月町の旧床屋で行われます。入場は無料で、出入口近くから全体を鑑賞することが可能です。訪れる人々は、その空間でゆったりとした時間を過ごし、新しい視点で道後温泉の魅力を再発見できます。
ぜひこの機会に、蜷川実花の「椿」を体感し、道後温泉の文化と風景に触れてみてはいかがでしょうか。