光触媒の新技術
2022-02-08 09:00:04
ビタミンB2を使った光触媒の新技術が新型コロナ抑制に貢献
ビタミンB2を用いた可視光応答性光触媒「ジェンタミン」とは
近年、健康を害する可能性のある化合物の代替として、ユシロ化学工業が開発した可視光応答性光触媒「ジェンタミン」が注目を集めています。この技術はビタミンB2を利用したもので、農業や水産業、食品、医療など多様な分野での応用が期待されています。
新型コロナウイルスに対する効果の実証
ジェンタミンは、一般財団法人日本繊維製品品質技術センターによる試験で、新型コロナウイルスに対する感染力抑制効果が確認されました。この試験では、感染価が1.73×106 PFU/mlのウイルスを使用し、光触媒を塗布したサンプルを500lxの光で6時間照射した結果、99.61%の減少が見られました。これは、ジェンタミンが暗所ではほとんど効果を示さないことからも、光の効果が大きいことが伺えます。
光特性と安全性
ジェンタミンは、農薬や防腐剤といった人の健康に悪影響を与える化合物の代替物として期待される技術です。その最大の特徴は室内の白色LED光でも反応することで、太陽光を要しないため、さまざまな環境での応用が可能です。ビタミンB2は牛乳や海藻、アーモンドに多く含まれる物質であり、安全性が高いため、食品業界などでも幅広く使用できます。
他のウイルスや細菌に対する効果
数学的な計算と実験により、ジェンタミンは新型コロナウイルスに加えて、インフルエンザウイルスやネコカリシウイルスの抑制効果も確認されています。また、大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する殺菌効果も証明され、多種多様なウイルスや細菌に有効なことが分かりました。
さらに、悪臭物質に対しても優れた消臭効果があることが実験で確認されたことで、環境分野でも利活用される可能性が高まっています。
持続可能な社会へ向けた取り組み
ユシロ化学工業は今後、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の理念を基に、ビタミンB2を含む天然資源の活用を推進し、機能性材料の開発を進めていく予定です。この努力により、循環型社会の実現に寄与することを目指しています。
会社情報
ユシロ化学工業株式会社は、1944年に設立され、東京都大田区に本社を構えています。金属加工油剤やビルメンテナンス製品を中心に成長を遂げており、特に近年は技術革新に注力しています。安全性と効力を兼ね備えた製品開発により、今後も持続可能な社会の一翼を担う存在としての役割を果たしていくことでしょう。
最後に
ビタミンB2を用いた「ジェンタミン」は、人々の健康と環境保護に寄与する技術として一歩を踏み出しました。今後の研究と応用によって、さらなる可能性が開かれることを期待したいところです。
会社情報
- 会社名
-
ユシロ化学工業株式会社
- 住所
- 東京都大田区千鳥2-34-16
- 電話番号
-
03-3750-6761