引越業界に忍び寄る2024年問題
2024年から施行される「働き方改革法案」により、引越業界は“2024年問題”と名付けられた影響に直面しています。この法律では、ドライバーの労働時間に上限が設けられ、年間960時間の時間外労働が制限されることになります。これにより、一人当たりの走行距離が短縮され、引越業界の様々な問題が浮上しています。近年では、全国154社の引越会社を対象に行った調査結果が、その影響の深刻さを示しています。
調査結果の概要とその影響
調査を実施したのは「引越業界の未来をつくる会」で、引越会社の81.4%が「2024年問題」の影響を深刻に受けていると回答しています。特に、対応可能なエリアや件数が減少しており、その結果、ドライバーの賃金が上昇しています。しかし、これに伴い離職率も高まっているため、利用者への悪影響が懸念されています。
また、料金についても昨年と比較して引越料金が上がると見込まれる企業が58%に上り、その原因には「物価高」による燃料や資材の価格上昇が含まれています。全体の96%が2024年問題の影響が続く、もしくは悪化していると答えています。
需要増加と供給不足
興味深いことに、調査では引越しの需要が増加傾向にあることも浮き彫りになりました。例年よりも申込み件数が増加する割合が47%に達し、これは過去4年間で最大の数字です。しかし、対応できる件数が減っていることから、「引越し困難者」が発生する可能性が高まっています。調査対象の58%の引越会社が、引越し困難者の出現を予測しているのです。
解決に向けた取り組み
こうした課題に対処するため、業界団体「引越業界の未来をつくる会」は、引越しの効率化や「引越し困難者」を減少させる取り組みを進めています。具体的には、引越依頼と空きトラックのマッチングを行うことで配車の効率化を図っています。さらに、共同で資材を購入することでコスト削減を目指しています。「資材の共同購買」を活用する企業も増え、業務効率を向上させつつあります。
株式会社スタームービング(スター引越センター)では、こうした取り組みによって、月間50件の対応件数増加が実現されたと報告されています。また、恵実物流株式会社(アクティブ感動引越センター)では、自社独自の引越業務基幹システム「HAKO-Tec」を導入し、業務をDX化することに成功しています。これにより、平均して月間267時間の業務短縮が達成されました。
未来への展望
引越業界は、引越し困難者を減少させることが求められている今、さらなる連携と協力が必要です。「引越業界の未来をつくる会」は新しい発想と技術を取り入れつつ、業界全体の課題解決に向けて活動を続けてまいります。私たちの最新の取り組みが、引越業界に明るい未来をもたらすことを願っています。
調査概要
- - 調査地域:全国(沖縄・離島を除く)
- - 調査方法:Google Formsアンケート調査
- - 調査対象:HAKOPLA提携引越会社154社
引越業界の未来をつくる会とは
「売上向上」「コスト削減」「企業/業界価値向上」を掲げ、業界の価値を向上させるために積極的に活動しています。2022年には加盟会社が100社を突破し、今後の協力体制の強化を目指しています。
株式会社リベロについて
株式会社リベロは「新生活サービスプラットフォーム」を提供し、新生活のサポートを行っています。全国のネットワークを使い、引越業界の問題解決に貢献しています。