KKBOXがMusic Storyと提携
KKCompany Japan合同会社が運営する音楽ストリーミングサービス「KKBOX」は、フランスの音楽メタデータ企業Music Storyとの提携を発表しました。この提携により、日本語に特化したメタデータの品質向上や構造の整備が行われ、音楽発見の体験を一層充実させることを目的としています。
提携の目的
KKBOXがメタデータの品質を強化する背景には、ユーザー体験の向上があります。特に、日本語においては、アーティスト名や楽曲名の表記ゆれが多いため、検索ヒット率やその精度の改善が急務です。このニーズに応え、以下のようなポイントが掲げられています。
1. 日本語メタデータの表記統一
アーティストや楽曲ごとの別名や表記の違いを整理し、日本語テキストを正規化することで、より一貫性のあるメタデータを提供します。これにより、ユーザーはより簡単に興味のある音楽を見つけやすくなります。
2. 横断インデキシングの強化
アーティスト、アルバム、トラックとの関連付けを最適化し、カタログの可視性を向上させます。これにより、ユーザーは多様な音楽を経由して興味のあるアーティストにたどり着くことができるようになります。
3. 検索関連性の高度化
日本語特有の語順や同義語に対する対応を強化し、利用者の意図に即した検索結果を提供することを目指します。特に、日本的な表現を考慮した検索機能が求められています。
4. ローカライゼーションの深化
文化的な文脈に基づいた分類やナビゲーションの設計を行うことで、日本市場におけるエンゲージメントを強化します。これにより、音楽に対する親近感を高め、リスナーが自ら探索する体験をより楽しむことが可能になります。
KKBOXとMusic Storyの言葉
Music StoryのCEOであるJean-Luc Biaulet氏は、「ローカライゼーションとデータ構造がユーザーエンゲージメントの要となる今、KKBOXは日本語における音楽発見体験の水準を引き上げています」と語っています。また、KKBOXのマーケティングマネージャー、芹澤裕基氏は「高品質なメタデータがユーザー中心の音楽体験には不可欠です。Music Storyとの協業により、日本語での音楽発見をより自然で満足度の高い体験へと進化させます」との意気込みを示しています。
今後の展望
KKBOXは、今回の提携を通じて、日本語対応の強化を段階的に進めていく計画です。メタデータ品質が向上すれば、アーティストやレーベルの露出が増え、結果として新たなリスナーとの出会いを創出することでしょう。
Music Storyについて
Music Storyは、没入感のある音楽体験を提供するために、高度なメタデータ処理と編集知見を持つ企業です。世界50ヶ国・13言語に対応した編集ネットワークを有し、各市場に即したメタデータを提供します。日本のビジネス開発は、グローバル音楽企業の日本進出を支援するエージェンシーPRTLの福山大志氏がリードしています。
KKBOXについて
KKBOXはアジアを代表する音楽配信サービスで、利用者数は1200万人を超えています。1億曲以上をカバーし、独自機能としてポッドキャストや友人との音楽共有「Listen with」を提供しています。
KKCompanyについて
KKCompany Japan合同会社は、AIマルチメディアテクノロジーグループの日本法人で、音楽配信サービス「KKBOX」や動画・ライブ配信ソリューション「BlendVision」を手掛けています。アジア太平洋圏で最先端のIT技術を活用した事業を展開し、今後も多面的なサービスを提供していく予定です。