Solana Geyser gRPCノードがSLV v0.9.902で進化
オランダ・アムステルダムに本社を置くELSOUL LABO B.V.とValidators DAOが、Solanaにおける重要なオープンソース基盤SLVの最新バージョンv0.9.902をリリースしました。この新バージョンでは、Geyser gRPCノードを構築する際に、従来のYellowstone系プラグインから、より優れたパフォーマンスを提供するRichatをデフォルトで採用することが発表されました。
Richatによる配信レイテンシの改善
Richatの導入により、SLVを利用して構築されるGeyser gRPCノードでは、ストリーミングの安定性が飛躍的に向上しています。具体的には、システム全体のデータ配信経路が整理され、重複処理も抑制されているため、特にピーク時の遅延増加や時間帯によるパフォーマンスのばらつきが抑えやすくなっています。
Geyser gRPCノードは、Solanaエコシステム内でトランザクションやアカウント情報をリアルタイムで取得するための重要なインターフェースです。しかし、この性能はただ単にgRPCエンドポイントを有効にするだけでは決まりません。適切なプラグインの選定やストリーミング経路、内部処理の設計が影響を及ぼします。このような理由から、SLVは従来の実績を真摯に受け止め、より適切な実装を選ぶ方向へと舵を切ったのです。
SLVの研究開発とRichatの選択
SLVはERPCとValidators DAOが日々の運用の中で得た知見を基に、再現可能なオープンソースの形で提供することを目指しています。これまでの運用ではYellowstone系のプラグインが主流でしたが、継続的な研究と検証を経て、Richatの配信特性が特に高負荷時において優れていることが確認されました。
今回のv0.9.902では、この知見を反映し、新構成を適用しています。これは既存の仕組みを否定するものではなく、実運用で得た経験から選び抜かれた結果です。
QUIC対応の展望
さらに、Richatの採用により、gRPCに加えてQUICを用いたストリーミング配信に関する技術的な検討も行えるようになりました。Richatは高スループットかつ低レイテンシなストリーミングを想定して設計されており、今後の配信方法の選択肢がさらに広がります。具体的なQUIC配信の構成については、今後別途詳細を発表する予定です。
SLVの意義と今後の展望
SLVは、Solanaのエコシステム全体の運用品質向上に貢献するためにオープンソースの形で情報を共有しています。商用サービスとして運用されているERPCとSLVは、それぞれ異なる役割を持ちながらも、互いにフィードバックを行う関係です。
SLV v0.9.902を活用することで、低レイテンシかつ安定したGeyser gRPCノードの構築が可能となります。興味のある方は、ぜひ最新のSLVを試してみてください。
利用に関する問い合わせ
SLVについてのフィードバックやGeyser gRPCノードの購入については、Validators DAOの公式Discordにて受け付けています。