千葉工業大学のAI講師
2025-05-12 11:22:42

千葉工業大学が国内初のAI講師を導入し教育の未来を切り拓く

千葉工業大学、新たな教育の形を模索



千葉工業大学は、国内初となる「AI大学講師」を導入し、教育現場に革命をもたらすことを目指しています。この新しい取り組みは、日本の大学教育においてAIが講師として正式に役立つ初の試みです。AI大学講師は、大規模言語モデルであるChatGPTと、受講生それぞれの学習履歴データベースを活用し、従来の教育方法では実現できない個別最適化された指導や思考プロセスの可視化を実現しています。

AI大学講師の特徴と革新性



AI大学講師が提供する教育支援の最大の特徴は、単なるAIチャットボットではなく、学生の学習活動を「Verifiable Credential(VC)」という形で記録・蓄積する点にあります。この仕組みによってAIは、受講生ひとりひとりの学習履歴を深く理解し、その情報をもとに個別の指導を行います。これによって、学生は自らの思考を整理し、言語化する力を育てられるのです。

AIとの対話を通じて「なぜそのように考えたのか」といった疑問を投げかけられることで、学生は自分の考えを体系的にまとめ、深掘りする機会が得られます。さらに、この仕組みは教育機関からの電子署名に基づいた信頼性のあるデータを利用することで、正確な情報に基づいた質の高い指導を提供します。これによって学生は、実社会に出る際にも自身の学習成果を客観的に証明できる手段を持つことができます。

Verifiable Credentials(VC)とは?



Verifiable Credentialsはデジタル化された証明書であり、「検証可能な資格情報」とも呼ばれます。この技術は、第三者が確認可能な形で情報を保存するため、AI大学講師の信頼性を大幅に向上させます。AIが生成する情報の中には「ハルシネーション」と呼ばれる、誤った事実を提示してしまう問題もありますが、VCを活用することで教育機関が認証したデータだけを基に指導が行われるため、これを防ぐことが可能です。

AI講師の仕組み



この革新的な教育支援システムは4つのプロセスから成り立っています。最初に学生の学習活動をデジタルデータとして記録し、その後、記録されたデータがVCとして発行されます。次に、発行されたVCはカスタマイズされたChatGPTと連携し、個別最適化された指導を行います。この全プロセスを通じて、AIが学生一人ひとりに合った対話的なサポートを提供します。

実証実験の概要



現在、「AI大学講師」は千葉工業大学の変革センターが提供する「web3・AI概論」の授業の中で実証実験が行われています。この実験では従来の教育手法と比べて、学習内容の理解度や批判的思考力、自主学習時間などを多角的に検証します。この結果をもとに、必要な改良を加え、他の大学への導入を進める計画です。

教育現場にもたらす新たな可能性



このAI大学講師の導入により、高等教育の現場には新たな価値が生まれることが期待されています。具体的には、大規模な講義を維持しつつ、個別最適化された指導が同時に実現できること、対話的な学びを通じて思考力が向上すること、多言語対応によるグローバル教育の強化、一貫した学びの提供が可能になることです。

千葉工業大学の学長、伊藤穰一氏は「AI大学講師」は教育の未来において重要な役割を果たすと強調し、AIと人間の共創による新たな教育モデルを模索し続けることを約束しています。今後、テクノロジーと教育者がそれぞれの強みを活かしながら、新しい学びの形を探求していくことが、この実証実験の核心です。


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千葉工業大学
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千葉県習志野市津田沼2-17-1
電話番号
047-478-0222

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