繊維産業発祥の地、福山市の新たな取り組み
広島県福山市は繊維の一大産地として知られ、その豊かな歴史と技術を背景に、サステナブルな方向へと進化を遂げようとしています。最近、EUが衣料品の廃棄禁止などの政策を進める中で、アパレル業界は持続可能な未来を見据えた選択を迫られています。この流れは間違いなく日本国内にも波及することでしょう。そのため、福山市では「こども愛着シェアクローゼット」という新たなプロジェクトを立ち上げ、大量消費時代からの脱却を目指しています。
プロジェクトの背景と動機
地方である福山市は、紳士服や学生服、デニムなどの製造が根付いた土地です。しかし、これからの時代には、これらの製品が大切に使われ、循環する社会が求められています。服の生産量を減少させることは、企業にとっては売上少減を意味するため、その両立には工夫が必要です。そこで、消費者が持ち物に対する愛着を再確認し、手放さずに次の世代に引き継ぐことを奨励する活動が始まりました。
『こども愛着シェアクローゼット』の仕組み
この取り組みの核となるのが『こども愛着シェアクローゼット』です。これは、成長に伴ってサイズアウトした子ども服を必要としている他の子どもたちに、思い出と共に引き継ぐことを目的としています。この行動を通じて、子どもたちが愛着を持っていた衣服に再びスポットライトを当て、長く使うことの重要性を認識してもらう狙いがあります。
さらに、シェアクローゼットにおいて引き取り手がいない服は、福山市内の繊維関連企業においてリサイクルされるため、無駄がありません。この情報も広く発信し、透明性を持った運営を図ることも重要なポイントです。
初回お披露目会へのご招待
本プロジェクトの始動に際し、子育て世帯の方々をお招きした試験運用兼お披露目会が、2025年12月21日(日曜日)に福山市内の「iti SETOUCHI」で開催されます。この会では、参加者の意見をもとに運用改善点を抽出します。
お披露目会の詳細
- - 日時: 2025年12月21日(日曜日)11:00-11:45
- - 場所: iti SETOUCHI(福山市西町1-1-1)
- - プログラム:
- 11:00-11:10 企画説明
- 11:10-11:30 シェアクローゼットの体験会
- 11:30-11:45 改善点等のヒアリング
今後の展開
さらに、2026年には衣料品シェアイベントも予定されており、このプロジェクトは徐々に広がりを見せることでしょう。今回は環境省の支援を受けて、地域の資源循環を進める活動が繰り広げられます。これにより、福山市の繊維産業や地域社会全体が持続可能なアプローチへと進化していくことが期待されます。
連絡先
本事業に関する取材申込やお問い合わせは、以下の連絡先までお寄せください。
瀬戸内ふくめぐりプロジェクト事務局(担当:山本)
TEL: 090-9463-6406
Mail:
[email protected]
新たな時代に向けて、福山市が生み出すエコアクションに大いに期待を寄せたいところです。子どもたちの未来のためにも、この取り組みが広がり、一人ひとりの意識が変わることを願っています。