ZEB認証の新たな価値
2024-01-24 13:00:01
省エネ建築物のZEB認証取得がもたらす新たな価値評価の成果
省エネ建築物のZEB認証取得がもたらす新たな価値評価の成果
2023年12月、株式会社NTTファシリティーズとデロイト トーマツ グループは、省エネ建築物の新築や改修に関連する効果を評価する新しい指標を発表しました。この取り組みでは、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証を取得したダイダン株式会社が所有する3棟のオフィスビルにおいて、省エネ効果の定量的な評価を行い、その結果に基づく評価手法の妥当性を確認しました。
取り組みの背景と目的
従来、省エネ建築物の評価は主にエネルギーや光熱費の削減に焦点が当てられていましたが、NTTファシリティーズとデロイト トーマツは、これだけでは不十分であると考えました。新たに開発された評価手法は、エネルギー削減以外の効果、いわゆるNEBs(Non-Energy Benefits)をものさしにし、さまざまな面から建物の価値を評価します。具体的には「健康増進」や「生産性向上」といった側面が評価対象となり、12の指標に基づく定量化が行われました。
ダイダンの協力のもと、ZEB認証の取得を目指す3棟では、この評価手法を用いてNEBsの影響を具体的に測定しました。特に、長期的な投資回収の観点からも注目され、エネルギー消費量の削減効果は年間で約250万円、NEBsを含めた全体の効果は年間で約1120万円と推測されました。これを基に、ZEB導入における投資回収年数は大幅に短縮される見込みです。
検証結果の詳細
ZEB認証ビルの効果を評価するため、定量化された7つの指標に沿って、データの収集と分析が実施されました。これには、公開情報に基づく基本的なデータの集計や、内部情報をもとにした専門的な算定が含まれています。特に、職場環境における職員の満足度を考慮し、アンケート結果を反映した上で、実際の働きやすさや生産性に寄与する要因を工夫して評価しています。
今回の検証によって得られたデータは、今後の省エネ建築物への投資の意思決定を助けるための強力な指標となることでしょう。また、企業や自治体が保有する資産の省エネ化に向けたサポートを提供し、持続可能な社会の実现に向けても役立つと期待されています。
今後の展望
NTTファシリティーズとデロイト トーマツは、今後も更なる省エネ建築物の評価に取り組む意向を示しています。ZEBの理念を促進し、持続可能な建物の普及を進めることで、環境負荷の低減を目指すと同時に、従業員のウェルビーイングの向上を図りたいと考えています。また、企業のカーボンニュートラル達成を支援することにより、地域社会全体での脱炭素化推進にも寄与する計画です。
これらの取り組みが実を結ぶことで、将来的に持続可能な社会の構築につながることを期待しています。企業や自治体の資産価値が、環境への配慮とは無関係であるという認識から変わり、彼らの投資判断に新たな視点をもたらすことができれば、大きな進展となります。今後の動向に注目が集まります。
会社情報
- 会社名
-
株式会社NTTファシリティーズ
- 住所
- 東京都港区芝浦3-4-1グランパークタワー
- 電話番号
-
03-5444-5112