知的財産業務を支える新たなツール「swimy」の登場
トヨタテクニカルディベロップメント株式会社が、知財部員と開発部員の業務を効率化するために開発した知財業務支援ツール「swimy」を2024年10月にリリースします。このツールは、生成AIを活用し、知的財産の発明創出から権利化まで、さまざまな業務をサポートする機能を備えています。
swimyのコンセプト
トヨタテクニカルディベロップメントは長年の知的財産業務の経験を基に、効率的かつ高品質な業務運営を実現することを目指しています。「swimy」は、知財業務に必要な情報の収集・整理に加え、業務をスムーズに進めるための支援機能を充実させています。これにより、知財部員や開発部員の貴重な時間を節約し、より戦略的な業務運営が可能になります。
swimyの主な機能
1. swimy innovation
「swimy innovation」は発明の創出から権利化までの工程をサポートする機能です。これにより、発明提案書の作成が容易に行えます。開発部員がアイデア概要を入力するだけで、決まったフォーマットの発明提案書が自動で作成され、検索式案や特許文献の抽出も提供するため、時間を大幅に削減できます。また、発明提案書の内容から明細書のドラフトを自動生成し、さらに戦略的な明細書案の検討時間を確保することも可能です。
中間対応検討サポート機能では、引例や拒絶理由を解析し、権利化ポイントの検討を効率化します。この機能により、自社特許群や他社の関連技術を提示し、特許の実用化に向けた検討もスムーズに行えます。すべての業務を一つのツールで行えるため、出願案件の管理も安易に行えます。
2. swimyLandScape
「swimyLandScape」は、技術動向や特許調査を効率的に行うための機能です。調査結果をクラウド上で保管し、ビジュアル化や共有ができることが特徴です。この新機能では、生成AIを活用した自動分類、要約、翻訳、動向解析が行われ、開発部員と知財部員が調査結果を効率的に読み解く手助けをします。
解析作業では、母集合から課題を抽出し、全体像を把握できるため、業務の効率が向上します。特に、侵害予防調査の際には、対象特許に対して生成AIを活用して該当/非該当を判断でき、判断理由も提示する機能が注目されます。こうしたリアルタイム情報共有により、業務の進捗管理が容易になります。
今後の展望
トヨタテクニカルディベロップメントでは、「swimy」の利用にはライセンスが必要ですが、随時機能の強化を図っていく方針です。2024年10月には東京ビッグサイトで開催される知財・情報フェア&コンファレンスにおいて、この新ツールを展示予定です。知財業務を効率化する新しい時代の到来を予感させる「swimy」の活躍が期待されます。