佐賀大学が新入学前教育プログラムにOpen LMSを導入
国立大学法人の佐賀大学は、2024年度から新しく開始される入学前教育プログラムに、Moodleをベースにしたクラウド型LMS「Open LMS」を採用しました。このシステムの導入により、プログラム提供から運用までの効率化が実現し、初年度には受講者の満足度が9割を超える結果を出しています。
導入の背景
佐賀大学では多様な人材を確保するため、試験の真贋を問うための新たな入試制度や、学力に加えて学習力の評価も行うCBT(コンピュータベーステスト)を取り入れています。また、高校での活動と大学の求める人材像の関連性を評価し、特色加点制度などを導入している点が特徴です。これに伴い、を指導するための新たなLMSが必然的に必要とされました。
従来はオープンソースのLMS「Moodle」を基点としたオンプレミス環境で運用していましたが、各学部が個別に実施していたため教育面とITシステム面での問題が多くありました。特に、学部教員が多忙なため丁寧な指導が難しく、未提出の課題が学習意欲に及ぼす影響が懸念されていました。さらに、運用管理に多くのリソースを割いていたことも課題となっていました。
Open LMS導入の決め手
このような状況の中、佐賀大学はOpen LMSを選ぶ際、以下の特徴を重視しました。
1.
迅速な導入:クラウド型のため、短期間でMoodleベースのLMSが構築でき、中身の充実に集中しやすい。
2.
移行のスムーズさ:これまで利用していたMoodleからのデータ移行が容易で、テスト環境を確認した後、本番環境にすぐ適用できる利便性。
3.
コストパフォーマンス:物理サーバーよりも初期費用が割安で、運用のためのランニングコストも予算に見合ったものとなる。
4.
高い拡張性:将来的な人数の増加にも対応可能な点。
これにより、2024年に新プログラムがスムーズに開始できました。
導入効果
新たなプログラムは、初年度から以下のような成果を上げています。
- - 完了率と学習効果の向上: 即座に未完了率を5.8%に減少させ、受講者からは高い満足度が得られました。
- - 運用負荷の軽減: クラウドへの移行により、システム運用管理業務が減少し、効率的な運用が可能となりました。
- - 進捗の視覚的把握: 学部教員が受講者の進捗を容易に確認でき、よりよい支援が実現しました。
アドミッションセンターの副センター長である露木隆准教授は「Open LMSは高校生との親和性が高く、学習意欲に寄与している」とコメントしました。
新しいプログラムの内容
新入学前教育プログラムは、11月と12月に合格した高校生を対象としており、初年度には153名の受講者がいました。先輩学生や教員が制作したテキストと動画で「高校と大学の違い」「大学生に求められる姿勢や能力」などを学び、受講者は活発に意見を交流します。希望者には「STEAM学習基礎」を早期履修でき、課題を解決するためのプロダクトを製作する機会も提供されます。
今後の展望
佐賀大学では、Open LMSの活用を深め、教育の幅を広げることを目指しています。また、入学前教育プログラムを他大学にも展開し、柔軟な教育環境を整備していく方針を示しています。
コレオスは、Open LMSの導入を通じて、佐賀大学の教育戦略を支援し続けることを約束しています。