近年、建設業界では技能者不足や長時間労働が深刻な問題となっています。それに対応するため、自動施工や遠隔施工の推進が急務とされています。このたび、NTTグループと大成建設が協力し、環境と技術の革新に取り組むことで、重機の遠隔操作と自動制御の実証に成功しました。
実証の背景
この実証は、三重県内の2拠点を繋ぐIOWN APN(All-Photonics Connect)を基盤とし、複数のメーカーから提供された重機を遠隔から操作するものです。これにより、重機の制御が長距離でも安定して行えるようになり、工事の生産性向上に寄与することが期待されています。
実証のシステム
実験は、2026年の2月に行われ、遠隔拠点と実証現場の間に300mの無線ネットワークを構築しました。ここでは、油圧ショベル、ダンプトラック、ブルドーザーの一連の作業が全て遠隔で操作されました。特に、ローカル5GとWiGigを利用して低遅延での通信を実現し、現場での無線接続が途切れることなく機能しました。
技術的な特徴
1.
低遅延通信: IOWN APNによる通信の低遅延性は、複数重機を一元で操作する上での要です。これにより、通常3人で作業を行う現場を1人で効率よく操作できます。
2.
リアルタイムデータの伝送: GNSS信号を基にした位置情報やカメラ映像が詳細に伝送され、現場での作業が的確に行えるようになりました。
3.
効率的なネットワーク構成: 従来は時間を要したネットワーク構築が、わずか1時間で終わるなど、大幅な効率化が実現されました。
今後の展開
この実証結果を踏まえ、NTTと大成建設はさらなる技術の普及と現場導入の検討を進めていきます。最終的には、2027年度までにダムの堆砂対策などでの適用を見込んでおり、建設業界全般でのオートメーション化を目指しています。この取り組みにより、人材不足や労働環境の改善につながることが期待されています。
技術革新が進むことで、未来の建設現場がどのように変わっていくのか、これからの展開に注目が集まります。