株式会社LupinusとJCOMが新しいAI技術を発表
株式会社Lupinus(以下、当社)は、JCOM株式会社と連携し、2026年6月に群馬県高崎市で開催された第40回人工知能学会にて新しい質問分類手法を紹介しました。この手法は、Contextual BanditとLLM-as-a-Judgeを組み合わせたもので、ユーザーからの多様な問い合わせに対する処理能力を高めることを目的としています。
1. 背景
近年、AIを利用した対話システムが普及し、様々な企業が顧客対応においてAI技術を取り入れています。しかし、特にケーブルテレビや通信サービスなどでは、年齢層の高いユーザーからのさまざまな問い合わせに迅速に対応する必要性が高まっています。特に60歳以上の利用者に対して、その意図を正確に理解し、適切な返答をすることが求められるのです。
従来のシステムでは、ユーザーのフィードバックを元に学習を行っていましたが、評価が「カテゴリ選択の正誤」ではなく「回答全体への満足度」に依存するため、学習信号に誤りが生じるという問題がありました。このため、当社は新たな方式でこの問題を解決することを目指しました。
2. 発表内容
2.1 システムの概要
提案したシステムは5つの主要コンポーネントから構成されています:
1.
QueryPreprocessor:問い合わせ内容から固有名詞や日時を一般化記号に変換。
2.
QuestionEmbedder:変換した質問を384次元のベクトルに変換。
3.
LinUCB:3つのカテゴリ(雑談/VOD検索/リニア放送検索)から適切なものを選択。
4.
AnswerGenerator:選択されたカテゴリに基づいて回答を並列生成。
5.
LLM-as-a-Judge:生成された3つの回答を比較し、各カテゴリへの確信度を出力。
こうしたシステムにおいて、ユーザーからのフィードバックをどのように利用するかが鍵となります。ユーザーのGood/Bad評価をどのようにして回答カテゴリ選択の正誤に結びつけるかが、今後の課題です。
2.2 主な知見
実験は二つのフェーズに分かれて行われ、一つ目のフェーズでは理想条件下での評価がなされました。このフェーズでは、LinUCBによる学習が有効に働き、70.56%の総合正解率を達成しました。その後のフェーズでは、実運用における評価信号を用いても良好な結果が得られました。具体的には、正誤とは無関係な評価信号でも、LLM-as-a-Judgeを介することで64.00%のGood率を記録しました。
3. 今後の展望
本技術を通じて、AIを使った顧客サービスの品質向上を目指し、LupinusはJCOMをはじめとするパートナー企業と共にさらなる研究開発を行なっていきます。AI技術の進化によって、顧客との接点がより価値のあるものになることが期待されます。
4. 会社概要
株式会社Lupinusは、2021年に設立され、特にデータ活用と顧客理解の向上に注力しています。「日本の新時代を創造する」という理念のもと、企業の競争力向上に貢献するための最前線のビジネスコンサルティングサービスを提供しています。
今後も、同社の技術力を活かした新しいサービスが展開されることが期待されます。さらに詳細な情報は
公式サイトをご覧ください。