FAIとアイシン高丘、鋳造設計支援システムを共同開発
現代の自動車部品には、軽量化や高剛性、振動特性、耐久性、コスト削減といった多様な要求性能が求められています。しかし、従来の設計開発プロセスでは、設計から評価まで何度も手戻りが発生し、これが開発期間の長期化や設計工数の増加を引き起こす原因となっていました。そんな中、
株式会社FAIと
アイシン高丘株式会社が共同で新たな「設計支援システム」の開発に乗り出しました。
共同開発の背景
FAIは、設計初期段階で最大1,000ケースの設計・シミュレーションを自動実行できる「Φ-Designer」という技術を持っています。この技術を活用することで、設計段階から効率的に設計案を探索し、後工程での手戻りを大幅に削減できると期待されています。これにより、設計開発の迅速化と製品性能の向上を両立させることが可能になります。
さらに、FAIはAI技術によって設計案の整理や比較を行い、用途に応じた最適な設計案を選別するというシステムを目指しています。
具体的な開発内容
共同開発では、FAIの「Φ-Designer」に、アイシン高丘が長年培ってきた鋳造技術と製造ノウハウを統合します。これにより、鋳造製品の特有な製造制約を初期段階から考慮した形で、同時に複数の性能要件を満たす設計を自動的に探索します。
この手法により、設計者は意思決定を迅速に行うことができ、最終的には工数削減だけでなく、製品の性能向上など多岐にわたるメリットを享受できることでしょう。
今後の展望
FAIはこの共同開発を通じて、日本の製造業における設計プロセスそのものを革新しようとしています。
膨大な設計案を自動で探索し、それを性能や製造性、コストの観点から総合的に評価することで、開発工数の大幅な削減を見込んでいます。この成果が、日本のものづくりの競争力強化に寄与することを目指しています。
FAIについて
FAIは、科学計算技術を用いた効率的なモノづくりを目指す名古屋大学発のスタートアップ企業です。設立は2024年で、愛知県名古屋市に本社があります。企業の理念は「基礎理論と応用を数学で統合し、製造業の人手不足や生産性向上の課題に独自のシミュレーション技術を用いて取り組む」です。
FAIとアイシン高丘の共同開発がもたらす次世代の鋳造設計支援システムが、今後の製造業でどのように役立つのか、その展開に今から期待が高まります。