東京都板橋区での特別な展示が開催
2025年4月26日(土)から2025年6月15日(日)にかけて、東京都板橋区にある板橋区立美術館で「館蔵品展あの時の風景(特集展示あの風景を見つめる目)」が開催されます。この展示では、大正から昭和の戦争を挟んだ東京の風景を多角的に捉え、その時代を生きた画家たちの想いを伝えます。
時代を反映した作品の数々
展示では、当然大正・昭和の風景を描いた作品が中心ですが、シュルレアリスムなどの影響を受けた異色の作品も紹介されます。画家たちは、実際の風景を描くだけでなく、心の奥底にあるイメージを基にした創作も行いました。これにより、観覧者は単なる風景としてだけでなく、画家たちが抱いた特別な感情や考えにも触れられることでしょう。
本展は、美術館が所蔵する作品に加え、寄託された作品も展示され、時代の移り変わりを強く感じられる内容となっています。
特集展示での視点の変化
特集展示では、風景を描いた画家たちの自画像や肖像画にもスポットを当て、彼らがどのように変わりゆく天候や社会情勢を反映させていったのかを考えます。画家たちがどのように自身の目をもって風景を捉えていたのかを知ることができる貴重な機会です。
長谷川利行の作品からのスタート
展示は新たに寄託された長谷川利行による1930年代の東京の情景から始まります。利行は、当時の銀座や新宿といったモダンな都市の騒音や活気を色濃く表現しており、一方で彼の晩年には、戦時下で変わる東京に対する視線も描かれていました。彼の作品を通じて、時代の変遷がどのように画家たちの創作に影響を与えたのかが見えてきます。
戦後の高揚とその裏側
戦後、高度成長期を迎えた日本の風景も、多くの画家によって新たに描かれました。彼らは、幸せな表層の裏に潜む社会問題にも目を向け、その時代を映し出しています。この展示を通じて、画家たちが時代とどのように対峙し、何を訴えようとしたのかを読み解くことができるでしょう。
見逃せない関連イベント
本展では、関連イベントとして講演会や美術講座、ギャラリートークも行われます。4月26日には美術史家の原田光氏を講師に迎えた講演会が開かれ、1930年代の隅田川岸に焦点を当てます。また、5月10日の美術講座では、参加者自身が風景画について深く考える機会が与えられます。ギャラリートークも随時開催され、より深く作品に触れることができるこの機会をお見逃しなく。
まとめ
この展示は、板橋区立美術館が所蔵する貴重な作品群を通じて、過去の風景を再考し、私たちが現在抱える問題とも向き合うきっかけとなるでしょう。参加費は無料で、どなたでも気軽に立ち寄れる美術展ですので、ぜひお越しください。この貴重な体験を通じて、あなたの視点も新たに触れることができるかもしれません。