新システムと建設機械
2025-12-10 14:06:31

建設機械の使いやすさを徹底改善する新システムの誕生

建設機械の使いやすさを徹底改善する新システムの誕生



国立研究開発法人産業技術総合研究所とコマツは、人間中心設計に基づく新しいヒューマンデジタルツインシステムの開発を発表しました。このシステムは、建設機械の試作品を実際に体験しながら客観的に評価し、改善を促進するために設計されています。

ヒューマンデジタルツインの必要性


近年、様々な業界で人間中心設計が重要視されており、特に建設現場では、作業者が快適かつ効率的に機械を操作できるよう設計・開発が行われています。しかし、これまでの製品開発では、試作品の評価や改善に多くの時間とコストがかかるという課題がありました。使用者の体験をきめ細かく反映させるためには、しっかりとしたフィードバックシステムが不可欠です。

新システムの特長


新たに開発されたヒューマンデジタルツインシステムは、実際の運転席の模型と運動計測装置、解析用ディスプレイを統合したものです。このシステムによって、建設機械の開発者たちは、リアルタイムで自分の動作をデジタル空間に反映させつつ、試作品の操作体験を行うことができます。これにより、より正確な評価が可能になり、開発のサイクルが短縮されると期待されています。

例えば、運転席のアームレストの形状を改善するにあたり、アームレストの使用体験を記録し、そのデータをもとに新たな形状を設計しました。この新しい形状は、従来のアームレストと比べて、肘の動きを阻害せず、より快適な操作感を提供します。

デジタルツイン技術の進化


本システムの開発には、モーションキャプチャ技術や、高度な解析を行うソフトウェアが活用されています。この技術により、操作者の動作をリアルタイムでシミュレートし、データ分析を行うことができるため、多様な評価指標を用いて客観的な議論が可能となります。特に、異なる立場の開発担当者同士でのコミュニケーションが円滑になり、製品改善に向けた協力が促進されます。

今後の展望


この研究成果は、2025年12月の「SI2025 (第26回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会)」で発表される予定です。また、将来的にはこのシステムを建設現場全体に適用し、さらなるデジタルツインの活用を計画しています。これにより、施工現場のメタバース空間を構築し、作業者や監督の新たな働き方を支援する方向へと進んでいくでしょう。

このように、製品開発における人間中心設計の取り組みが進むことで、今後の建設機械の進化に期待が寄せられています。


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