住友ゴム工業株式会社(DUNLOP)は、東北大学と協力し、ナノテラスという先進的な放射光施設を利用して硫黄の結合状態を三次元で可視化することに成功しました。この技術が開発されたのは、リチウム硫黄電池に関連する研究の一環として行われました。
リチウム硫黄電池は、その理論容量がリチウムイオン電池の約6~7倍に達することから、次世代の電池技術として期待されています。しかし、充放電サイクルにおける寿命が課題となっており、これを解決するためには硫黄系正極活物質の詳細な観察が不可欠です。
共同研究によって使用されたナノテラスは、宮城県仙台市に位置する中型放射光施設で、この施設から発生するX線を使い、硫黄K殻吸収端近傍での4つのX線エネルギーを選択して解析を行いました。これにより、約80ナノメートルという極めて小さなスケールでの結合状態を可視化することに成功しました。
実験の結果、硫黄が集まった球状領域では硫黄間の結合が多く、一方で不均一な形状の領域では硫黄と炭素、酸素の結合状態が複雑に絡み合っていることが確認されました。これにより、硫黄系正極活物質の化学状態の空間的不均一性が明らかになりました。
これまで、リチウム硫黄電池の研究は2011年から続けられており、産業技術総合研究所との共同プロジェクトとして進められています。この研究成果は、より高い充放電サイクルの特性と充電容量を実現するための糸口になると考えられています。また、この研究結果は2026年5月に「Scientific Reports」で早期公開され、広く世界に認知されることが期待されています。
さらに、住友ゴム工業は2026年からDUNLOPブランドに統一し、その理念として「挑戦を支える安心」「期待を超える体験」「限界への挑戦」を掲げています。このビジョンは、革新的な技術を通じて人々にポジティブな感情を提供するものであり、新しい未来を切り開く手助けになることを目指しています。
今回の研究成果は、今後のリチウム硫黄電池技術の発展に寄与するものであり、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた重要な一歩となるでしょう。