岡山県西粟倉村と大和ハウス工業が、2025年12月16日に「森を育てるまちづくり」の推進に向けた連携協定を締結しました。この協定は、西粟倉村が抱える地域課題と大和ハウス工業の取り組みを結びつけ、持続可能な地域づくりを進めるものです。
西粟倉村は、人口約1,300人という小さな村ですが、その約20%は移住者が占める特異な地域です。村の面積の93%を森林が占めており、四季折々の美しい自然環境が魅力です。2008年に策定された「百年の森林」構想では、自然と共生する産業の育成を目指し、間伐材の活用や地域ベンチャーの支援を行っています。特に、管理が難しくなった私有林を効率的に整備する体制を構築し、地域の森林の活性化や土砂災害リスクの低減に貢献しています。
一方、大和ハウス工業は、地域とともに持続可能な社会を作ることを目指し、2021年から森林と生物多様性についての勉強会やセミナーを開催しています。2023年には異業種の企業が集まった「コトクリエ 森を育てるまちづくり研究会」を設立し、7社が共同で国産材の活用と森林保全に向けた取り組みを進めています。
この度の連携協定は、両者の森林保全への考え方が一致したために結ばれたもので、課題解決に向けた企画を検討していくことが期待されます。
協定の具体的な連携内容は以下の通りです:
- - 百年の森林事業との連携事業に関する企画検討
- - 地域の木材を活用した地域づくりの推進
- - その他、相互に必要と認められる事項の連携協力
西粟倉村は1889年に村政を施行し、現在は57.97㎢の広大な面積に608世帯、人口1318人が暮らしています。村の特性を活かして、地域の課題解決に取り組む姿勢は、未来の地方自治体のあり方を示唆するものです。
「コトクリエ 森を育てるまちづくり研究会」は、大和ハウスグループおよび複数の林業関連会社で構成されており、都市と林業がつながる商品の開発や、地域特性に応じた提案を行っています。
この協定がもたらす効果として、地域の人口減少や高齢化、林業の衰退といった課題への対応が期待されます。持続可能な地域づくりは、地域住民だけでなく、企業にとっても重要なテーマであり、両者の連携によって新たな価値が生まれることを期待したいものです。