三菱総合研究所が医療系スタートアップの海外展開を支援
2023年10月15日、株式会社三菱総合研究所(MRI)は医療系スタートアップとアカデミアの海外展開を促進する新たなプログラムを発表しました。このプログラムは、厚生労働省から委託を受けて行われるもので、国内の創薬力を強化し、医薬品の実用化を目指すものです。
背景
日本は、最近の医薬品市場において、ドラッグ・ラグやドラッグ・ロスの問題を抱えています。これらの課題を解決するために、日本政府は「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」を設立しました。ここで掲げられた3つの戦略目標は、治療法を求めている患者に新薬を速やかに届けること、日本が世界有数の創薬国になること、そして持続可能な投資とイノベーションの循環を構築することです。
これらの目標達成には新薬の創出源であるアカデミアやスタートアップの重要性が高まっています。しかし、日本では創薬エコシステムの発展が遅れており、スタートアップへの投資も少ない状況です。これに対抗するため、MRIは欧米のエコシステムと連携し、スタートアップを国際的に支援する必要があります。
「Direct Flight」プログラムの概要
MRIが新たに開始する「Direct Flight」プログラムは、米国のボストン、フィラデルフィア、サンディエゴ、イギリスのロンドンのライフサイエンス都市のエコシステムと連携し、医療系スタートアップの海外展開を総合的に支援します。このプログラムのキックオフイベントでは、参加する20のスタートアップが意気込みを語り、プログラムの内容が説明されました。
このプログラムでは、海外展開戦略に必要なメンタリングや英語でのピッチトレーニングを受けた後、現地を訪問し、実際の環境下でデモデイを経験します。このデモデイでは、現地の製薬企業や投資家と交流し、ネットワーク構築を図る機会が提供されることになります。
今後の予定
これからプログラムに参加するスタートアップは、選ばれたローカルプログラムに沿ってメンタリングを受け、現地での活動に臨みます。MRIは、今回のプログラムを通じて日本の創薬エコシステムの発展を進め、国内外の連携を強化し、日本の創薬力の向上を目指していきます。
この取り組みが成功すれば、医療の最前線で活躍する新たなスタートアップが誕生し、日本の医薬品産業の国際的地位が向上することが期待されます。医療イノベーションの世界で日本が再び輝く日も遠くないかもしれません。
お問い合わせ先
興味のある方は、三菱総合研究所のヘルスケア事業本部へお問い合わせください。医療系スタートアップに関する詳細やプログラム参加の情報が含まれています。