新潟医療福祉大学のAI技術でMRI検査の負担が軽減
新潟医療福祉大学診療放射線学科の吉田宜清講師は、MRI検査における体動による画像のぶれを改善するため、AI技術を活用した新しい補正手法の検証を行いました。この研究の成果が、2026年の国際誌「Scientific Reports」に掲載されたことが注目されています。
研究の背景
MRI(磁気共鳴画像法)は、脳の健康状態を評価するために広く利用されています。しかし、検査中に患者がわずかでも体を動かすと、画像がぶれてしまい、その結果、診断が困難になることがあります。特にアルツハイマー病の診断には、正確な海馬容積の測定が不可欠です。この深刻な問題に対し、吉田講師が提案したのが、AIによる画像補正技術です。
研究の内容
本研究では、健常な成人24名を対象に、元となる脳MRI画像、体動の影響を受けた画像、そしてAIで補正された画像を比較しました。評価の結果、AIによる補正が可能であることが示され、ぶれた画像でも海馬容積をより正確に測定できる可能性が示されました。
特筆すべきは、この技術が再撮像にかかる負担を軽減し、医療現場の効率化にも寄与する可能性がある点です。通常、画像が不鮮明な場合、再度MRI検査を行う必要があり、患者に対する負担が大きくのしかかります。それに対し、このAI技術を実用化することで、患者の負担を軽減する道が開かれるかもしれません。
研究者の見解
吉田講師は、「MRI検査時に発生する小さな体動が、画像の質や診断精度に多大な影響を与えるという問題に対し、深層学習を駆使して対策を考えました」と述べています。特に高齢者や体動を自制できない患者にとっては、再撮像の必要が少なくなることで、医学的なイノベーションにつながると期待されています。
今後の展開
このAI補正技術は、今後の認知症領域での画像診断支援において大変重要な役割を果たすことが期待されています。また、医療機関において検査が効率化されることで、医療コストの削減につながる可能性も秘めており、患者と医療従事者双方にとってのメリットが見込まれます。
新潟医療福祉大学の取り組みは、単に研究にとどまらず、実際の医療現場において役立つ技術としての発展が期待されています。今後のさらなる研究と実用化に向けた動きに注目が集まります。
問い合わせ先
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参考文献
- - Yoshida, N., et al. (2026). Deep learning approach to super-resolution correction of brain MRI motion artifacts for accurate hippocampal volumetry. Scientific Reports. DOI: 10.1038/s41598-026-44834-5