JR-446、希少疾病用医薬品に指定
株式会社メディパルホールディングスとJCRファーマが共同で開発している血液脳関門通過型α-N-アセチルグルコサミニダーゼ製剤、開発番号JR-446に関する新たな進展が報告されました。2023年、厚生労働省より、この医薬品が希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されたことが発表されました。これは、国内での開発における大きな一歩とされています。
医薬品の経緯
JR-446は、今年の4月に米国食品医薬品局(FDA)から、さらに6月には欧州委員会(EC)からもムコ多糖症IIIB型に対するオーファンドラッグとして指定されており、その重要性が認識されています。
ムコ多糖症IIIB型とは
ムコ多糖症IIIB型(サンフィリッポ症候群B型)は、ライソゾーム病の一種であり、特に中枢神経系に重度の障害を引き起こす疾患です。この病気の患者数は世界的に500人から1000人程度と非常に限られており、現在のところ承認された治療薬は存在しません。
JR-446の特性
JR-446は、独自の技術「J-Brain CargoⓇ」を使用しており、その効果が非臨床試験でも確認されています。これにより、MPS IIIB型に関連する症状に対して有効性が期待されています。今現在、日本では臨床第I/II相試験(JR-446-101)が進行中です。
共同開発契約
メディパルとJCRは2023年9月に、JR-446の海外事業化に関する実施許諾契約と日本国内における共同開発契約を締結しました。このことで、両社はMPS IIIB患者に対し、早期に本剤を供給できるよう、引き続き努力していくことを表明しています。
希少疾病用医薬品に関する説明
希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)としての指定は、医薬品医療機器等法に基づくもので、特別支援措置が受けられる制度です。この指定を受けるためには、医学的ニーズの高い治療薬であり、国内での開発体制と計画を持っていることが求められます。
MPS IIIB型の特徴
MPS IIIB型は、NAGLU遺伝子の異常によって引き起こされる常染色体潜性遺伝疾患です。この疾患は、脳内にヘパラン硫酸が蓄積されることで進行する神経症状を持ち、患者およびその家族に深刻な影響を与えます。
まとめ
JR-446の開発が進んでいることで、希少疾患であるMPS IIIB型患者への希望が高まっています。メディパルホールディングスとJCRファーマの取り組みは、医療の進歩において重要な意味を持つことが期待されます。今後の展開にも注目が集まります。