渋谷が目指す「スーパーシニア構想」とは？高齢者も輝く街の実現へ向けて

渋谷が描く高齢者の未来「スーパーシニア構想」とは？

一般社団法人渋谷未来デザインが、「スーパーシニア構想」に関するホワイトペーパーを公開しました。この取り組みは、高齢者が元気でアクティブな生活を送れる街づくりを目指すもので、2024年のSOCIAL INNOVATION WEEK (SIW)における議論をもとにしたものです。
この構想の中心には、若々しい認知機能と体力、そして活動的なライフスタイルを持つ高齢者、いわゆる「スーパーシニア」の増加が置かれています。

高齢化問題への新しいアプローチ

日本では、高齢者人口の増加とともに労働力不足や医療・介護費の増大が課題となっています。これに対応すべく、健康寿命と平均寿命の差を埋めるための取り組みが急務です。この文脈で行われたのが「シニア層が思わず身体を動かしたくなる街」というテーマの提案です。

スポーツを通じたコミュニティ形成

渋谷区が主催する「渋谷区くみんの広場ふるさと渋谷フェスティバル2024」では、柔軟性や方向転換能力、跳躍力を測定する「スポーツ適性診断」が行われ、265名が参加しました。各参加者には、最適なスポーツを提案し、自発的な運動意欲を喚起する試みがなされました。この取り組みは、世代を超えた交流を促進し、さらに高齢者の孤立を防ぐための基盤を築くものです。

新たなスポーツカルチャーの創出

また、「見る」「する」「支える」といった受動的なスポーツのあり方から、「つくる」スポーツへのシフトも進められています。これにより、インフルエンサーや民間施設と連携し、新しいスポーツカルチャーを定着させることを目指しています。

今後の計画と展望

今後も教育の現場での体育の改革や、シニア向けイベントの開催、渋谷区スポーツセンターの活用を通じて、「スーパーシニア社会」の実現を更に推進していく方針です。このプロジェクトが成功すれば、全国の高齢化対策や地域づくりのモデルとしての役割を果たすことが期待されます。

参画企業と協力

この「スーパーシニア構想」に参加している企業や団体には、株式会社ティップネスや一般財団法人渋谷区スポーツ協会などがあります。ティップネスは全国に143店舗を展開し、フィットネスやウェルネス事業を行っています。また、渋谷区スポーツ協会は地域のスポーツ推進に努めており、古い体育協会の理念を引き継ぎつつ新しい事業開発を進めています。