東京・渋谷で始まる屋外クールダウンプロジェクト
昨今、極端な気温上昇が問題視される中、ダイキン工業、東急、東急レクリエーション、東急不動産の4社が協力し、東京・渋谷エリアで「まちなかにおける屋外クールダウンプロジェクト」を2025年から開始することが発表されました。このプロジェクトは、国土交通省が推進する脱炭素・クールダウン都市開発事業の一環で、急増する暑熱対策への対応策とされています。
背景と目的
近年の猛暑は、全国各地で過去最多の日数を記録しており、特に都市部では暑熱対策が急務となっています。都市が持つ活力を保ちつつ、屋外での活動を促進するためには、暑さを緩和する施策が重要です。このプロジェクトは、クールスポットの設置や空調設備を通じて、利用者の快適な環境を提供するとともに、環境への影響を最小限に抑える取り組みを実施します。
プロジェクトの概要
このプロジェクトでは、渋谷区立北谷公園や渋谷サクラステージなどの場所に、ダイキンの屋外エアコン「アウタータワー」とミストを組み合わせたクールスポットを設置します。これにより、暑さ指数(WBGT値)を低下させ、ひいては熱中症の危険性を軽減することを目指します。クールスポットは、異なる性質の場所に設置することで、その効果を検証し、最適な設置場所を探ります。
また、東急不動産が管理・運営するビルにおいては、芋緑化を行い、室外機周辺の温度上昇を抑えることで、ヒートアイランド現象の軽減を図ります。この技術は、室外機周りに芋の葉を繁茂させ、日陰や蒸散作用を利用して温度を下げるというものです。
実証内容の詳細
このプロジェクトには、具体的な実証計画があり、2025年7月から10月の間に行われます。実証の内容としては、以下の内容が含まれます:
1.
クールスポットの効果検証:再現性のあるクールスポットの設計や、その周辺の熱環境改善の検証を行います。
2.
消費電力の相殺:クールスポットによって増加する電力消費を、エリア内の省エネ施策で相殺する取り組みを行います。
3.
室外機の温度効果:IoTデータを用いて室外機の周辺温度の低下や省エネの向上を確認します。
このように、技術とデータを活用することで、持続可能な都市環境の創造を目指す取り組みが進められます。
SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECTとの連携
さらに、このプロジェクトは、渋谷区が掲げる「世界最前線の実験都市」という理念に基づいて実施されるSHIBUYA GREEN SHIFT PROJECTとも密接に関連しています。2024年には、ダイキンや東急グループとの共同で、脱炭素を進めるための社会実験も行われています。
このように、多面的なアプローチで渋谷地区の脱炭素化を目指し、環境負荷を抑えた快適な街作りに貢献していくことが期待されています。従来の環境対策だけでなく、新たな技術革新を取り入れた取り組みとして、多くの人々に愛される渋谷を実現できることでしょう。
今後の進捗にも注目が集まります。