沖縄の伝統を未来へ繋ぐ拠点、空手の“長順館”がクラウドファンディングを開始
2025年3月20日、沖縄の那覇市壺屋に空手文化拠点「長順館」を設立するためのクラウドファンディングが開始されました。発起人は剛柔流空手道沖縄宗家の宮城達(みやぎ とおる)氏で、彼は空手の父とも言える宮城長順(みやぎ ちょうじゅん)の孫です。このプロジェクトの目標は、世界中の空手家やファンに向けて沖縄空手の魅力と精神を発信する場所を作ることです。
「長順館」は、剛柔流空手道の開祖である宮城長順がかつて住み、稽古を行っていた歴史ある地に設立される予定です。この施設は空手家だけでなく、一般の観光客や文化に興味を持つ人々にも開放され、体験や交流ができる文化拠点を目指しています。また、特に空手ツーリズムの中核として機能することが期待されています。
このプロジェクトの立ち上げにあたり、宮城達氏は、沖縄空手の核心である「心」を大切にし、さらにそれを元にした平和の精神を世界に広めたいと述べています。彼は祖父の教え『人に打たれず、人打たず、事なきをもととするなり。』をスローガンに、この文化の発信地を作る決意を示しています。
沖縄空手と宮城長順の影響
宮城長順は1888年に生まれ、沖縄出身の空手家であり、中国拳法を取り入れた「剛柔流空手道」を創設しました。彼の教えや技術は多くの空手流派に影響を与え、近代空手の礎を築きました。彼が築いた空手の体系は、映画『ベスト・キッド』やNetflixの『コブラ会』に登場するキャラクター「ミヤギ先生」にも影響を与えています。このような背景から、「長順館」は、単なる展示施設ではなく、空手の本質に直接触れることができる場所を提供する予定です。
クラウドファンディングの詳細
「長順館」に関してのクラウドファンディングは、海外向けプラットフォームの「Indiegogo」にて行われており、目標金額は3,000万円。募集期間は2025年3月20日から60日間です。プロジェクトの支援者には、メッセージの送付や公式ホームページへの名前の掲載、さらには館内の壁に名前を刻むなどのリターンが用意されています。支援者には会員証や年間パスポートなども発行され、プロジェクトに参加する皆様に感謝の意を表す形となっています。
おわりに
「長順館」は、沖縄の空手文化を未来の世代に引き継いでいくための重要な拠点です。ここでの体験を通じて、訪れる人々は空手の深い文化や精神を心から理解することができるでしょう。宮城達氏の言葉を借りれば、沖縄空手の”心”と平和の理念を世界に広げる場所としての役割を担っています。この新しい文化拠点の設立に向けて、多くの人々からの支援が期待されています。