電通グループが「dentsu Japan AIセンター」を設立
株式会社電通を中心とする国内電通グループが、新たに「dentsu Japan AIセンター」を設立しました。このセンターは、AIの 開発と活用を推進するために専門人材約1000名を集結し、グループ内のAIネイティブ化を牽引する役割を担います。
AIの進化と変革
近年、AIは単なる業務の効率化を超え、企業の経営そのものを変革する技術となっています。この傾向を受け、多くの企業がAIを中核に据えた「AIネイティブカンパニー」へと移行しています。しかし、国内ではAIの導入が部門ごとに進められることが多く、全社的な戦略を欠いたケースも見られます。そうした課題を解消するため、電通グループはAIを企業変革の中心に位置づけ、経営層から開発部門まで一体となって推進する体制を構築しました。
「dentsu Japan AIセンター」の構成
「dentsu Japan AIセンター」は、AIに関連する技術やデータ、知識を横断的に結集し、企業の変革を支援します。具体的には、次の6つの専門ユニットを設け、各ユニットが連携しながら活動を展開します。
1.
AI業務効率化ユニット
このユニットは、社内業務におけるAIの利用促進を目指します。必要なAIツールの開発やAIスキルの向上を支援し、生産性の向上を図ります。
2.
AIマーケティング&クリエイティブ高度化ユニット
マーケティングとクリエイティブ業務を、人とAIが組み合わさることで進化させることを目指します。顧客の成長を支えるAIソリューションの開発を加速します。
3.
統合マーケティングAIエージェント開発ユニット
複数のAIアプリケーションを統合し、マーケティング全体を支援するエージェントの開発に取り組みます。新技術の研究も行います。
4.
AI・データインフラ強化ユニット
「People Model」と呼ばれる独自のAIモデルを基にしたデータインフラを強化し、AI活用の基盤を整えます。
5.
AIマーケティングトランスフォーメーション(AIMX)ユニット
顧客のマーケティング業務におけるAIの導入をサポートし、業務相談から戦略策定、開発導入までを包括的に支援します。
6.
AIトランスフォーメーションユニット
経営や営業、人事など、あらゆる分野でAIの導入支援を行い、企業文化のAIネイティブ化を図ります。
共同研究の推進
このセンターは、電通グループ内の「AIガバナンスコミッティ」と連携し、従業員に対して適切なAIサービスの活用を促すための環境整備を行います。また、大学や研究機関との共同研究の成果を活用して新たな技術開発にも注力します。
まとめ
「dentsu Japan AIセンター」の設立を通じて、電通グループはAIを活用した企業変革を加速し、顧客や社会に新しい価値を提供する「AIネイティブカンパニー」を目指します。今後の展開に期待が寄せられます。