株式会社コスモテックの挑戦
近年、日本では少子高齢化が進み、認知症患者数は増加の一途を辿っています。2040年には約1,200万人を突破すると予想され、65歳以上の高齢者の約3人に1人が認知症や軽度認知障害を抱えることになります。こうした背景を受け、経済産業省は「オレンジイノベーション・プロジェクト」を立ち上げ、認知症当事者が生きやすい社会の実現に向けた取り組みを進めています。
このプロジェクトに参画する株式会社コスモテックは、独自の高分子化学技術を活かし、ヘルスケア産業の基盤強化に貢献することを宣言しました。
ウェアラブルメモ「wemo®」の役割
コスモテックの「ウェアラブルメモ wemo®」は、認知症の方が抱える記憶に対するストレスを軽減することに焦点を当てています。この製品は、高齢者やデスクレスワーカーなど、さまざまな人々が活用することを想定されています。具体的には、油性ボールペンで書いて消せるバンド型のメモアイテムを提供。これにより、突然のメモ作成が可能となり、物理的・精神的な負担を軽減します。
「wemo® バンドタイプ」の他にも、用途に応じたさまざまな形状が展開されています。2024年には、さらなるバージョンアップを図った「wemo® PRO バンドタイプ」が発売される予定で、厳しい条件下で働く人々にも対応できる設計がなされています。
認知症当事者との共創
このプロジェクトの大きな特徴は、認知症当事者が開発プロセスに参加し、彼らのニーズに即した製品を共に創り上げることです。コスモテックは、この「共創」プロセスを通じて、実用的でニーズにマッチしたソリューションを提供することを目指しています。実際に、wemo® バンドタイプは認知症・ADHDの方々にとって大きな効果を発揮しており、記憶に対する不安を解消するための道具として支持されています。
アワード受賞の実績
これまでに、wemo®は日本文具大賞や文房具総選挙、文房具屋さん大賞など、数々の文具系アワードで受賞実績を持っています。特に「フェーズフリーアワード2022」ではブロンズ賞を受賞しており、災害時における実用性も評価されています。これにより、日常生活でも非常時にも役立つ製品として広く認知されています。
今後の展開
2024年10月には幕張メッセで開催される「TOOL JAPAN」にも出展予定。新商品や既存の商品を通じて、より多くの方々にwemo®を体験してもらう機会を創出します。また、今後も他業界との連携を強め、常にユーザーの声を反映し続けることで、さらなる製品革新を追求していくでしょう。
株式会社コスモテックは脳の健康を支える新たなソリューションを模索し、すべての人が安心して生活できる社会の実現に貢献することを約束します。
会社概要
認知症と向き合う社会の在り方は変わりつつあります。コスモテックは、その新たな価値を創造し続けます。