リチェルカ、AI導入による鉄鋼見積業務の効率化実験を開始

AI導入の実証実験開始

株式会社リチェルカは、日鉄物産の見積業務効率化を目的とした実証実験を開始しました。この取り組みは、AIを使って膨大な鉄鋼カタログの情報をデータベース化し、営業の迅速化を図るものです。実験は約2ヶ月にわたり行われ、営業現場の負担を減らすもので、特に情報の構造化に注目が集まっています。

鉄鋼業界の課題

鉄鋼業界では、国やメーカーごとに様々なフォーマットのカタログが存在し、営業担当者は取引先からの見積依頼に応じて製品を探さなくてはなりません。特に、多様な形式の依頼への対応は、営業担当者の経験と直感に依存するため、非効率的です。たとえば、PDFやメールに記載された不明瞭な規格によって、営業は異なるカタログを照合しながら製品を探し出すという、非常に手間のかかる作業を強いられています。

リチェルカのアプローチ

リチェルカは、この課題に対して具体的な対策を講じます。一部の商品を対象にカタログデータを自動的に蓄積し、迅速かつ正確な製品情報の照合を行います。最終的な目標は、営業担当者が見積依頼を受けた際に、AIがそれを自動で識別し、顧客が求める製品の提案を即座に行えるシステムの構築です。このような自動化は、作業効率を高めるだけでなく、営業活動全体の質を向上させることが期待されます。

実証実験の内容

本実証実験では、以下のステップを検証します。

1. カタログ構造解析と情報抽出

リチェルカが提供する「RECERQA Scan」のAI-OCR技術を用いて、カタログに含まれる規格やサイズ、重量などのデータを正確に抽出し、整理・構造化するプロセスの実現可能性を確認します。

2. データベース設計

営業現場での活用を視野に入れ、ユーザーが直感的に使用可能なデータベースの構造を設計します。実際の運用を見越した基盤設計の評価も行います。

3. AIによる見積回答業務

将来的には、取引先から寄せられる見積依頼の内容をAIが自動で読み取り、条件に合致する製品情報をデータベースから即座に抽出するプロセスを実装することを目指します。これによって、営業活動の生産性を改善し、より迅速かつ的確な対応ができるようになります。

リチェルカのビジョン

リチェルカが目指すのは、営業担当者が感じる業務の煩わしさを軽減し、顧客との信頼関係を構築する時間を増やすことです。AIを活用することで、業務の質を向上させ、営業全体の革新を支援することがリチェルカのミッションです。私たちは「すべての人を、クリエイティブワーカーに。」という理念のもと、人々がより創造的な仕事に取り組める未来を築いていきます。

会社情報

リチェルカは、2022年4月に設立され、AIの社会実装を通じた課題解決に取り組むスタートアップです。主に大手企業向けに「RECERQA」シリーズを開発し、サプライチェーンにおけるデータ管理、自動化、アナログデータのデジタル化など、多岐にわたるソリューションを提供しています。

詳しくは、リチェルカの公式サイトをご覧ください。