学生の問いから誕生した「がん教育」特別授業
ルークス高等学院では、がんに関する特別授業を実施し、ロイヤルベルクリニック不妊センターの看護師長・加藤直子氏を講師に迎えました。この取り組みの中心には、在校生のフリデリー・スティーブンさんがいます。彼の問いかけから始まったこの授業は、がん教育と性教育を結びつけ、対話を通じて「自分ごと」として考えることを目的としています。
実感の少ないがん教育の現状
「がん教育は学習指導要領に存在するけれど、本当に知っている人は少ない」という素朴な疑問が、授業の原点でした。ルークス高等学院には、がんについて体系的に学ぶ機会が限られていたため、フリデリーさんは「自分たちでつくろう」とこのプログラムの実現に向けて動き出しました。
臨床経験者の視点を生かした授業
当初、性教育を目的に産婦人科医を招く予定でしたが、教員の紹介で出会った加藤氏が看護師長であることから、授業のほうへも進展しました。医療の現場で「生きた現実」を目にしてきた加藤氏による講義は、より生々しいものとなり、がん教育と性教育というテーマを交差させた内容になりました。
「自分ごと」としての授業
授業では「3人に1人ががんになる」というデータが紹介され、生徒たちはその数字をただの情報として処理するのではなく、自らの体験として感じ取ることに重点を置きました。マンガを使用したワークや、講師による問いかけを通じて、学生同士が意見を交わし、深く考える機会を与えました。
身体を自分の問題として考える
授業の後半では、性教育にもフォーカスを当て、「性」や「身体」についての曖昧さを取り除く内容が展開されました。情報を一方的に伝えず、生徒たちに問いかけるスタイルは、高い評価を受け、「想像以上に面白かった」という声が多く寄せられました。
学生たちの反響
授業に参加した学生からは、「がんは自分には関係ないと思っていたが考え方が変わった」といった意見や、「イベントの裏には多くの人々の努力があることを知った」という感想が聞かれました。ルークスでは、単なる知識提供ではなく、「問いを立て、社会とつながる力」の育成に重きを置いています。
ルークス高等学院の教育理念
ルークス高等学院は、リベラルアーツ教育をおこなう通信制高校サポート校です。「余白のある時間と空間」「学生主体の学校づくり」「教員と学生の学び合い」を理念にして、学生一人一人の関心や質問を基にした学びの環境を整えています。
この特別授業は、ルークスが重視する教育姿勢を象徴する形となりました。
詳細情報
このように、がん教育にかかわる活動は、学生にとって重要な学びの場を提供し、思考を深める貴重な機会となることが期待されています。