福岡市立西高宮小学校の新しい教育プログラムに見るリーダーシップ育成の変化
福岡市立西高宮小学校では、2025年9月より、「思考習慣」授業が始まり、現在すでに1ヶ月が経過しました。この教育プログラムは、全国で企業向けの教育研修を行うラーナーズラーナーのCEOであり、ミネルバ認定講師の黒川公晴氏の監修のもと進行しています。プログラムの目的は、変化の激しい現代社会において、子どもたちがリーダーシップを育むことです。
このプログラムは、4年生の196名を対象にした長期的な実践型の教育活動であり、子どもたちが卒業するまで段階的に思考の技法に取り組むものです。教育現場では、従来の「知識の理解」や「ルールの遵守」に基づく教育だけでは、変化する社会に適応する力を子どもたちに培うことが難しいとの声もありました。
社会的背景と使命
現代社会は変化が激しく、固定観念にとらわれずに柔軟に考え、周りと協力できる力が求められています。この現状を受けて、私たちは「適応型リーダーシップ」の育成に取り組んでいます。リーダーとは単に集団の先頭で指示を出す人物ではなく、変化を察知し、適切な問いを立て、自ら行動できる人です。だからこそ、日常から「考えること」を normaal にする必要があります。
西高宮小学校では、「総合的な学習の時間」として「キャリア教育」の一環として、この「思考習慣」授業が実施されています。授業内容は、ラーナーズラーナーと民間学童クレイバーキッズによって共同で企画され、学校と連携しながら教育の質の向上を目指しています。
具体的な授業内容とその変化
これまでの授業では、以下の5つの思考習慣が扱われました:
1.
「どんな気持ち?」テーマについて考える
2.
自分が既に持っている知識とつなげて考える
3.
知っていることと知らないことを分ける
4.
自分事化する(問題意識を持つ)
5.
発見、気づき、疑問を言葉にする
これらの授業を通じて、子どもたちは「知らないことは恥ずかしい」という観念から脱却し、「知らないことは宝の原石」として捉えるようになっています。授業を担当する山口教諭によると、子どもたちの会話は明るくなり、自分の意見を言うことに前向きになったとのことです。また、理科の授業の中でも思考習慣を活用する姿が見られ、家庭でも授業で学んだ言葉をきっかけに親子で調べることが増えるなど、受講生の変化が現れ始めています。
未来への展望
今後の授業では、「解決すべき問題点を特定する」「コミュニケーションの目標を決める」といった日常生活でも役立つ思考技法をさらに深く学びます。この取り組みを通じて、子どもたちが「わからない状況」に不安を感じず、自らの力で未来を切り開けるような「適応型リーダーシップ」の素地を育てていきたいと考えています。
教育の現場から生まれたこの新しい試み。この活動にぜひご注目ください。
プロジェクト概要
- - 実施校・対象学年:福岡市立西高宮小学校(福岡市南区) 4年生全6クラス
- - 実施期間:2025年9月~対象児童が卒業するまで
- - 実施枠:「総合的な学習の時間」内「キャリア教育」の一部として、「思考習慣」を育てる授業を実施
- - 目的:「適応型リーダー」の育成 (自ら問い、他者と協働し、変化に適応して社会に働きかける力)
- - 授業内容企画・実施:山口大翔 教諭(西高宮小学校)
- - 監修(共同):株式会社ラーナーズラーナー(教育支援事業・リーダーシップ育成・福岡県糸島市)
クレイバーキッズ(スクール型民間学童・東京都港区)