株式会社Sassorが提供する新たなエネルギー管理AI「工場向けENES」
株式会社Sassor(本社:東京都目黒区)は、エネルギー資源の効率的な活用を目指す新しいサービス「工場向けENES」の提供を開始しました。これは、従来のアグリゲーションサービス「ENES」を拡張し、工場や大型施設に特化した最適制御AIです。産業界が直面するエネルギーマネジメントの新たな課題に対応するために、より柔軟で高精度なシステムを実現しました。
背景と課題
近年、エネルギーコストの高騰や、電力需給バランスの急激な変化が影響し、エネルギーマネジメントは企業運営において欠かせない要素となっています。また、気候変動に伴う自然災害リスクの増大も、工場運営におけるエネルギー管理を難しくしています。特に、工場や大規模施設は、以下のような特殊な制約を抱えています。
- - 生産スケジュールが月単位・週単位で変動するため、エネルギー管理が困難。
- - 設備のメンテナンスや季節要因によって、稼働率が変化する。
- - 施設ごとに異なる運用特性が存在し、それに対応した管理が必要。
これらの課題を乗り越えるため、Sassorは蓄電池や太陽光発電などのエネルギーリソースをAIで最適制御する「ENES」を開発しました。特に、「工場向けENES」は工場特有の生産計画を考慮に入れ、再生可能エネルギーの比率を向上させることを目指しています。
「工場向けENES」の特長
「工場向けENES」では、以下の独自の機能が提供されます。
1. 高精度なAI予測
過去の電力使用データと発電データをAIで解析し、生産スケジュールに基づいて数日先の稼働状況を予測します。これにより、エネルギー運用の最適化が図られます。
2. 一元的なエネルギー管理
太陽光発電と蓄電池を集中的に管理し、リアルタイムでの最適制御を行います。これにより、需給調整市場や容量市場への参加が簡素化され、収益の最大化が実現します。
3. ピークカットと電気料金削減
需要のピーク時には蓄電池を放電することで、瞬間的な電力使用量を抑え、基本料金の削減に貢献します。また、生産シフトとの連動を図り、ピーク負荷の抑制やBCP対策を強化します。
4. 再生可能エネルギーの活用
余剰となる太陽光発電を蓄電池に蓄え、需要が高い時間帯に活用することで、再エネ比率を向上させつつコスト削減を実現します。さらに、非化石証書やカーボンクレジットへの対応も視野に入れています。
今後の展望
Sassorは、「工場向けENES」を活用して工場や大規模施設のエネルギーマネジメントの課題解決を進め、再エネ比率の向上や異常検知を実現する新機能の開発を計画しています。具体的には、以下のような機能の拡充を予定しています。
- - 空調・冷凍設備の制御範囲を拡大
- - EV充電インフラや水素燃料電池との連携強化
- - 高度なAI異常検知アルゴリズムの導入
このような取り組みを通じて、Sassorは脱炭素経営の推進とエネルギー効率の向上を実現し、日本の産業界全体の持続可能性に貢献していく方針です。
会社情報
株式会社Sassorは、エネルギーリソースを分析し制御する技術をもとに、アグリゲーションサービスの「ENES」を開発・提供しています。今後も、エネルギー資源の有効活用を支援し、持続可能な社会の実現に向けて活動を続けます。