一人暮らしの料理意識の変化
株式会社日本能率協会総合研究所が実施した「メニューからみた食卓調査2024《単身世帯編》」によると、最近の単身世帯の男女における料理の意識や実態に注目が集まっています。調査は2024年7月に行われ、20歳から69歳までの単身世帯を対象に約1,200件の回答が得られました。この調査から、特に目を引くのは男女ともに「出来合い品」を積極的に活用している傾向です。
調理への意識
調査結果によれば、素材から手作りすると感じている単身男性は約30%、単身女性は約40%という結果が出ています。この数値は、過去の調査に対し若干の増加が見られ、特に女性の料理に対する意識は高まっています。とはいえ、やはり時短を重視する声が強く、男女ともに8割以上が時間短縮を望んでいるとのこと。特に30代の女性においては、約90%が短時間での調理を求めています。
出来合い品活用の高まり
特に注目すべきは「出来合い品」の利用状況です。単身男性の60代では、実に8割以上が出来合い品を活用していると答えています。一方で、単身女性は全体的に7割弱の割合で、男女差が見られます。また、年齢が上がるにつれて男性の出来合い品利用の意識が高まる一方、女性は年代が上がるにつれて低下していることも特徴的です。このように、特に60代の男性は非常に高い割合で出来合い品に頼っていることがわかります。
食事準備の傾向
食事の準備方法についても、便利な市販品を利用する意識が強いことが示されています。特に平日朝食においては、料理の準備に市販品を用いる傾向が非常に強いとの結果もあり、逆に休日の夕食ではこの傾向が弱まることが分かっています。また夕食メニューについては、単身男女ともに「自分の好み」を重視し、次いで「簡単な料理」を心がける傾向が見られます。ここでも、特に女性30代は手軽さを重視しているデータが明らかになっています。
見えてきた新しい食スタイル
今回の調査で明らかになったのは、一人暮らしの男女が「出来合い品」や「時短」を重視する中での料理観の変化です。特に忙しい現代においては便利さを追求しながらも、好みや健康を気にかけているというバランスが求められていることが伺えます。この調査結果は今後の食文化におけるさらなる変化を示唆していると言えるでしょう。
このように、料理に対する考え方が大きく変わってきている背景には、様々な要因が存在します。例えば、仕事や生活スタイルの変化、食に対する価値観の多様化などが影響していると考えられます。これからの料理スタイルについて、ますます注目を集めることになりそうです。