兵庫県川西市にある川西市立明峰小学校では、地元の市民団体「身近な自然とまちを考える会」の協力のもと、貴重な国蝶「オオムラサキ」が飼育されています。
同小学校の校庭の一角に設置された飼育ケージには、準絶滅危惧種に指定されているオオムラサキの姿が。この取り組みは、平成30年から始まり、3年生の理科の授業の一環として行われています。
児童たちは、授業の合間や休み時間などに飼育ケージを訪れ、紫色の美しい羽を持つオオムラサキの姿を興味深く観察しています。
オオムラサキは、幼虫時代はエノキの葉を食べて成長し、サナギを経て6~7月頃に成虫になります。オスは羽の付け根部分が鮮やかな青紫色で、白い斑点模様が特徴です。一方、メスはオスとは対照的に赤茶けた色をしています。
同小学校の飼育ケージは、縦横約180センチの大きさで、トマトの雨除けセットを改造して設置されています。ケージ内には、オオムラサキの幼虫が好むエノキが4本植えられています。
今年のオオムラサキは例年より成長が遅く、6月26日にオスのオオムラサキが初めて羽化しました。現在、ケージ内のサナギと幼虫はすべて羽化し、児童たちは「オオムラサキは思っていたよりも大きくて綺麗だった」「実際に観察できて嬉しかった」と興奮気味に語っています。
川西市は、オオムラサキの生息地として知られており、市民団体「身近な自然とまちを考える会」は、地域の自然環境保護活動の一環として、オオムラサキの飼育や保護に取り組んでいます。
同小学校では、今後もオオムラサキの飼育を通して、児童たちに自然環境への関心を高め、貴重な生物の保護の大切さを教えていく予定です。