ミリアド・ジェネティクス、新たな乳癌診断の可能性
ミリアド・ジェネティクス合同会社が、MyChoice診断システムの保険適用に乳癌を追加することを正式に発表しました。この判断は、2025年2月28日から開始される検査受託によって実現します。
MyChoice診断システムは、腫瘍細胞由来のBRCA1およびBRCA2遺伝子の変異を捉え、中でも相同組換え修復欠損 (HRD) 状態を特定することができる技術です。この検査の結果は、特に患者に対するPARP阻害剤の適応を判断する際に重要な役割を果たします。
例えば、東北大学大学院医学系研究科の石田教授は、「この保険適用が、がん化学療法の既往があるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌患者にとって新しい診断の選択肢になる」と指摘しています。また、BRCA遺伝子変異陽性で再発リスクの高い乳癌患者にとっても、この検査による治療ベネフィットが期待されています。
ミリアド・ジェネティクス日本法人の代表、倉岡俊介は、「乳癌に対するこの新しい保険適用は、治療における意思決定をサポートする重要なステップだ」と述べています。特に、HER2陰性・再発リスクの高い乳癌や転移した乳癌の患者に対するBRCA1/2遺伝子変異スクリーニングは、投薬の選択や手術方針に影響を与えるとも強調されました。
この新たな進展が、乳癌患者にとってどのような影響をもたらすか、注目が集まります。
MyChoice診断システムとは
MyChoice診断システムは、次世代シークエンシング (NGS) 技術に基づき、腫瘍細胞のBRCA1/2遺伝子に関する解析やゲノム不安定性の状態を特定するためのプログラム医療機器です。このシステムは、初めて卵巣癌患者への適応で保険適用を受けてから、ますますその重要性が明らかになっています。
今後、ミリアド・ジェネティクスは、遺伝子がもたらす健康面での影響を踏まえた先進的なソリューションに取り組み続け、日本におけるがんゲノム医療の発展に寄与していく予定です。これにより、がんの治療のみならず、その発症の予測や予防にも関わる重要な役割を果たすことが期待されます。
ミリアド・ジェネティクスについて
ミリアド・ジェネティクスは、アメリカ・ユタ州ソルトレイクシティに本社を置くバイオサイエンス企業です。1991年に設立以来、遺伝子解析技術を駆使し、医療従事者と患者に対する治療選択の最適化を目的として、数多くの革新的な手法を提供しています。日本では、乳癌や卵巣癌に関する遺伝的検査を行い、医療現場で幅広く利用されています。詳細な情報は、
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