IT人材の約45%、自らを「静かな退職」と認識
近年、労働環境における新たなトレンドとして「静かな退職」が注目されています。この用語は、自らの仕事でのやりがいやキャリアアップを求めず、決まった業務だけをこなす状態を指します。レバテック株式会社が実施した実態調査によれば、IT人材の約45%が自分自身をこの「静かな退職」と認識していることが明らかになりました。
調査の背景と対象
この調査は、2025年11月12日から19日の間に、20歳から59歳までのIT人材3,000名を対象に行われました。特に注目すべきは、20代では58.7%が「静かな退職」に当てはまると答えており、年齢が高くなるに連れてこの傾向が広がっている点です。30代では45.9%、40代や50代でも3割以上がこの状態にあると回答しており、若年層だけでなく全世代に広がる現象となっています。
静かな退職の理由
この調査において、静かな退職をしていると回答した人々の理由を探ったところ、最も多かったのは「自分の努力や成果が給与や昇進に正当に反映されない」との意見で、これが42.5%を占めました。また、心身の健康を優先するために「業務量が多い」という理由も37.3%を示しており、キャリアアップを望まないという声も31.7%と続きます。
このような自己承認の欠如は、報酬や昇進といった外的な評価が不十分だと感じることで、個人の挑戦意欲をそぎ、主体的な職務への関与が薄れていることが伺えます。
やりがいの重要性
一方で、静かな退職をしていないと回答した層にその理由を尋ねると、最も多かったのは「仕事にやりがいを感じているから」というもので、これが43.2%を占めていました。また、昇進や昇給のためには努力が必要だと思っているという意識が40.5%、仕事と私生活のバランスが取れているとの意見も35.1%を示しました。特に、昇進や昇給への期待よりも仕事のやりがいが優先されていることが、この調査結果における顕著なポイントです。
企業に求められる課題
レバテック株式会社の執行役社長、泉澤圭寛氏は、「評価に対する納得感がエンゲージメントに大きく影響を与える」とコメントしています。企業にとって必要なのは、高い報酬を求人するだけでなく、適正な評価制度を確立し、従業員がその成果を実感できるような取り組みです。さらには、成長実感を得られる機会を提供することも重要です。
まとめ
IT人材の確保は企業間の競争を左右する大きなポイントです。多様な人材が持続的に能力を発揮できる環境を整備することが、組織の成長と離職防止に繋がります。今後の企業活動において、内発的動機を高める施策が一層求められるでしょう。