神戸市に生まれる古物循環の拠点「山脈」
今年の春、神戸市北区に新たに開設されるのは、古物循環とオフグリッドなライフスタイルをテーマとした拠点「山脈」です。運営は、株式会社MotionGalleryが手掛けており、地域の資源を有効活用しながら、持続可能な暮らしを提案します。
古物循環の重要性
「山脈」は、解体に伴って出る家具や古材など、活用できる資源を救い出し再利用することを目的としています。廃棄物として処理されることが一般的なこれらの素材が、どのように新しい命を吹き込まれるのか、その過程を体験できる場所となる予定です。
地域ではますます空き家が増加する現状が続いています。これに対し、古物循環は持続可能な地域社会の構築において非常に大切な役割を果たしています。リノベーションや再利用のプロセスを通じて、廃材や使わなくなった家具が新たな形として再登場するのです。
緑に囲まれたリノベーション施設
「山脈」は、神戸電鉄有馬口駅から徒歩5分の場所に位置し、築60年の木造住宅がリノベーションされ、新品とはひと味違った魅力を持つ店舗に生まれ変わります。具体的には、古材や雑貨を販売するストアや、地域の野菜を使用したオフグリッドな喫茶スペース、さらにはオフグリッドライフを体験できるキャンプサイトを併設します。
それにより来訪者は、単に商品を購入するだけでなく、環境に配慮した生活様式を実際に体験し、古物を活かす楽しみを知ることができるでしょう。
販売する商品のラインアップ
販売される商品には、廃材を用いたオリジナル家具や古材をリメイクしたプロダクト、名もなき古民具を再生した製品など多彩なラインアップが予定されています。
これにより、参加者や来訪者が忘れがちな「まだ使えるものを無駄にしない」という価値観を再確認できる機会を提供します。
大切な地域資源の循環
「山脈」が持つ役割は、古物を再生するだけではありません。地域の空き家問題や廃棄物問題に対してもアプローチを行うことで、環境的な持続可能性を追求します。
特に、「廃材の利活用」をアイデンティティに組み込み、リノベーションにおいて使用する資材の80%以上を廃材から選ぶことを目指しています。それにより、廃材を有効活用するための仕組みやサービスを確立し、このモデルを広めることを狙っています。
資金調達とクラウドファンディング
この拠点の開設にあたり、現在クラウドファンディングを行っています。目標は300万円で、2025年4月25日までに達成を目指します。資金は、下水設備やオフグリッド設備の整備に充てられ、持続可能な施設を構築するための大切な資源となります。
未来へのビジョン
「山脈」がオープンすることで、より多くの人々が古材や古家具の価値を理解し、廃棄物を資源として再利用することに興味を持つようになります。地元の空き家を減少させ、地域に新しい暮らし方を提案することで、環境に優しい社会の形成に貢献できると期待されています。
この取り組みは、地域の文化や価値観を再評価する良い機会となるでしょう。新しい選択肢を持つことで、消費者一人一人が持続可能な未来を見据えたライフスタイルを形成する手助けとなります。
「山脈」の開設は、私たちの暮らしに新たな価値を提供することを目指しており、これからの活動に注目が集まります。