日立が発表した「HADB」最新バージョン
株式会社日立製作所は、新たに進化したデータベースエンジン「Hitachi Advanced Database」(通称:HADB)の最新版となるVersion 6を、2023年10月1日より提供開始しました。この新バージョンは、多様なデータ活用を進めるためにデータレイクハウス向けに特化した設計で、多くの企業が直面している課題を解決する先進的な機能を備えています。
最新版の特長
HADBの最新版では、特にオブジェクトストレージを活用する際にメリットが大きくなります。一般的なデータレイクとして用いられるAmazon S3のようなストレージ上で、データ分析や生成AIの学習に必要なデータを、SQLを使って直接検索できるようになりました。これにより、データ分析担当者はデータの事前加工や取り込み作業から解放され、より迅速かつ効率的にデータ分析を行うことが可能になりました。
生成AIへの活用
さらに、生成AIの業務への応用もプラスされており、膨大な量のデータを迅速に整備できるため、学習効率の向上が期待されます。具体的には、データレイク内に蓄積した情報を直接利用し、必要な形式に加工しなくてもそのまま学習データとして活用できるのです。これにより、企業は生成AIの機能を最大限に引き出せるようになります。
高速データ検索の実現
HADB独自の非順序型実行原理に基づいた並列処理により、オブジェクトストレージのデータ読み出し速度の遅さを克服しています。この仕組みにより、大量のデータを低コストで保管しながらも、データウェアハウス並みの高速な検索が可能となります。
コスト最適化を図る新ライセンス
また、HADBでは従来のデータ容量ベースのライセンスに加え、データレイクのデータを定額制で利用できる新しいライセンスも選択可能になりました。これにより、企業はデータ保管コストを最適化しながら、必要なデータを簡単に検索・分析できるようになります。
企業のデジタルトランスフォーメーションを後押し
日立は、今後も両方の環境でHADBのデータレイクソリューションの強化を進める予定です。2025年度中にはオンプレミス環境向けの新たなストレージである「Hitachi Virtual Storage Platform One Object」を提供し、データレイク検索をさらに進化させる考えです。このような取り組みを通じて、HADBは企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる重要なパートナーとなるでしょう。
まとめ
「HADB」最新バージョンは、データ分析の効率化や生成AIの活用において、企業が抱える多くの課題に対処する能力を兼ね備えています。この製品がもたらす未来への影響は計り知れず、日立製作所が示す技術革新に今後も注目が集まります。