医療従事者の新たな試み
2022-04-07 19:11:09

医療従事者の新しい働き方 脱・都市型を目指すワーケーションのすすめ

医療従事者が切り拓く新しい働き方



近年、医師たちの働き方に変革の兆しが見え始めている。特に、都市部から離れた地域で医療に携わる「ワーケーション」が注目を集めている。その一例として、東京在住の中西貴大医師が福山市で行った訪問診療の体験がある。彼は、地域医療において新たな昼夜を目指した取り組みを通じて、医療従事者の新しい働き方を全国に広めるべく活動している。

鞆の浦での実地体験



2023年3月11日、中西医師と藤井病院の平岩千尋医師は、鞆の浦近隣において半日の訪問診療を行った。彼らは、看護師と共に自動車で患者のもとを訪れ、合計8件の診療を実施した。患者の疾患は多種多様で、呼吸器疾患、循環器疾患、整形外科疾患など様々な病状に対応。中には、人生の最終段階における緩和ケアを必要とする患者も含まれており、それぞれの症状に合った治療方針を考案する中で、医師同士の熱い議論が交わされた。

移動中には、福山地域における在宅医療の現状について話し合われ、患者ごとの病態についての知識を深める貴重な時間となった。このように、地域医療に触れることで、医師自身も多くの学びを得ることができる。

地域医療へのさらなる理解



訪問診療の翌日、3月12日には、広島の若手医療者コミュニティ「HBD」が特別に家庭医療に関する勉強会を開催した。会場は、有限会社親和が運営する宿泊施設「燧冶」。この勉強会には、全国的に参加者が集まり、平岩医師からの講義が行われた。家庭医療の基礎や鞆の浦地域での取り組みの紹介も行われ、参加者同士でのグループワークが展開された。これにより、地域医療における課題への理解をさらに深める機会となった。

医師版ワーケーションの可能性



中西医師は、今回の体験について、観光を楽しみながら地域医療を実践できたことにやりがいを感じていると語った。彼にとって、鞆の浦での過ごし方は穏やかで、忙しい日常からの癒しの時間をもたらした。また、医師の誘致に関して「地域の人とのコミュニケーションや金銭的なインセンティブが重要だ」と指摘し、現地での長期的な視点が必要であることを強調した。

定期的な訪問が鍵



中西医師は、地域における温かいおもてなしと医療の大切さを述べ、医療従事者が再度訪れたくなるための工夫が重要だと熱弁した。このようなワーケーションを通じて、地域の医療における魅力を分かち合うことで、より多くの若手医師が地域に興味を持つきっかけが生まれるだろう。

今後の展望



今回の2日間のワーケーションを通じて、医師間のつながりや地域医療の実態を知る貴重な体験を得ることができた。長期的な視点を持ったこのような取り組みが継続されることで、医療従事者と地域社会が一体となった新たな医療モデルが形成されることが期待されている。医療従事者のワーケーションは、単なる観光と医療を融合させるだけでなく、地域との関係性をより深める鍵となるだろう。

【取材・文・写真=河村由実子】

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