新たな採用のカタチ「逆転履歴書」が提案するリスキリング時代の働き方

リスキリングと新たな履歴書の時代

知識やスキルの変化が日々進む現代。求職活動においても、その変化に対応した新しいアプローチが求められています。SHE株式会社は、リスキリングや学び直し経験を活かすための「逆転履歴書」を提案しました。これは、求職者と採用担当者の間に存在するギャップを埋め、より良い採用環境を築くための取り組みです。

逆転履歴書の特徴

逆転履歴書は、従来の履歴書の枠を超え、過去の学歴や職歴だけでなく、最新の学習歴やリスキリングの活動も記載することが可能です。つまり、未来の人物像や学びに対する姿勢を反映することで、求職者がどのように成長していくのかをアピールできます。

SHE株式会社は、キャリアブレイク研究所と共同でこのプロジェクトを立ち上げ、求職者側の課題はもちろん、採用側の実情やニーズを調査し、それに基づいた新しい履歴書のフォーマットを提供します。これにより、求職者は自らのリスキリング経験や新たに習得したスキルを自由に表現でき、採用側もより適切に求職者の適性を評価することができるようになります。

プロジェクトの背景

近年、リスキリングの重要性が増しているにもかかわらず、従来の採用活動ではその価値が十分に入り込んでいない現状があります。多くの求職者は、自身の学びをアピールしたくても、その方法が不明で、適切に評価されないことが多いのです。また、採用側も未経験者への評価基準が不明確であり、リスキリングを実践した求職者の価値を見出せないというジレンマを抱えています。

このような背景から、SHEはプロジェクトの実施を決定。リスキリングの概念を採用に取り入れることが、双方のギャップを解消し、より柔軟で多様性のある採用の実現につながると考えました。

調査結果とその意義

SHEとキャリアブレイク研究所が行った調査によると、リスキリングや副業の経験を履歴書に記載しない人が約8割存在します。その理由には、「内容の書き方がわからない」という課題があり、多くの求職者が自らの経験を適切に表現できていないことが明らかになりました。

逆転履歴書によって、このような問題を解消できる手応えがあります。特に、過去の職歴に縛られない新しい視点での履歴書作成が可能になるため、求職者は自己PRの幅を広げられるでしょう。さらに、未来の成長可能性を強調することで、採用側も新たな発見が期待できると言えます。

SHEの目指す未来

プロジェクトの目的は単に履歴書の形式を変えることだけではありません。SHEは、「自ら学ぶ姿勢が正当に評価される社会」を目指し、未経験転職のハードルを下げるとともに、キャリアの空白期間も新たな強みとして捉えられるような環境を創出したいと考えています。

今後、企業と連携したワークショップや評価基準を共有する施策を推進し、より多くの求職者が自らのキャリアを掴む一助となるよう努めていく予定です。