新たな時代の豊かさを求めて
私たちの社会は、日々の効率や管理が求められる一方で、心の安らぎや生きる感覚を見失っていることがある。特に東京のような都市部では、ワンルームで孤立しながらタスクをこなす毎日が続いている。
しかし、岩手県陸前高田市の広田町には、全く異なるライフスタイルを選ぶ若者たちがいる。ここでは、共に薪を割り、料理をシェアし、笑い合う時間が生まれている。この町を訪れた人たちは、ボロボロの涙を流しながら「また帰ってくる」と約束する。その帰る場所があるという安らぎは、現代の孤独感に対する一つの解決策なのかもしれない。
震災から生まれた新しいコミュニティ
認定NPO法人SETは、震災をきっかけに設立され、今年で15年を迎えた。タスクや効率を重視しない「管理しない」というアプローチが、逆に人を育む要素になっている。ここでは「合理的ではない」という見地から、温かいコミュニティが形成されているのだ。
SETは、地域の課題解決を図るために、人を資源として扱わないというポリシーを持っている。人と人のつながりがあってこそ成り立つ関係性は、居心地の良い「ネオ実家」のようだ。加藤遼理事は「主体性が爆発し、若者たちが心を震わせる瞬間が生まれる」と語る。これが人口減少をポジティブに捉える最大の理由だ。
Podcastシリーズでの新たな試み
SETでは、今回新たに「SET Podcast 〜人口減少時代の“新しい豊かさ”をつくる〜」というシリーズを立ち上げた。このPodcastでは、外部理事の加藤遼氏と安達亮氏を迎え、15年間続いてきた組織の秘訣を掘り下げていく。
エピソード内容の紹介
- - Ep1: 放置が安心を生む とは、「任せる」姿勢が持つ力を探求します。
- - Ep2: 生きてる感覚を取り戻す では、日常生活の共有が孤立を解消するプロセスを明らかにします。
- - Ep3: ノリと流れが挑戦を動かす では、人間関係から生まれる挑戦を徹底的に解剖。これは合理性ではなく、誰と一緒にいるかが重要であると伝えます。
持続可能な地域づくりの実践
SETは岩手県だけでなく、他の地域でも活動を展開し、年間で5000人以上が参加するプログラムを提供している。地域住民との協働を通じて、若者と地域の関係性を基盤とした持続可能な地域社会を目指している。
「最悪ここに戻ってくれば生きていける」というメッセージは、心の支えとなる。人が共に学び合い、集う場所があることで、新しい挑戦に踏み出せる土壌が築かれているのだ。この新しい豊かさは、単なる物質的な豊かさとは異なり、精神的な安らぎや充足感に満ちている。
結び
人口減少という社会問題に直面する中で、SETの活動は単なる地域貢献に留まらず、若者たちに新たな可能性を提供する場となっている。この活動が、多くの人々に影響を与え、心を満たすことに繋がればと願う。今後のPodcastや書籍、クラウドファンディングを通じて、さらに多くの人々にこのメッセージが広がることを期待したい。