ヘッドウォータースが構築した新しい支援システム
AIプラットフォーム事業を展開する株式会社ヘッドウォータース(東京都新宿区)は、電源開発株式会社(J-POWER)と共に、施工計画のリスクアセスメント支援システムを構築しました。このシステムは、約3,000名のグループ社員が利用することを想定しており、施工計画に潜む危険を適切に評価し、業務の高度化を図っています。
人が見落とす危険項目を補完
施工計画のリスクアセスメントは、安全管理に不可欠な業務です。J-POWERは、これまでの業務フローを見直し、危険項目の見落としを防ぐことを目指しています。特に、人の経験による判断のばらつきを抑えるため、AIを用いて過去の工事知見を活用し、リスクアセスメントの標準化と高度化を目指しています。
この新システムでは、利用者が過去の施工計画書をもとに、AIが出力した危険項目の過不足を人間が確認し、危険度を採点、対策を検討する流れを想定しています。AIはあくまでも支援ツールとして機能し、最終的な判断は担当者が行います。これにより、経験豊富な社員だけでなく、経験の浅い社員も危険項目を見逃すことなく、業務の質を向上させることが期待されています。
具体的なシステム構成
ヘッドウォータースは、OCRによる施工計画書の読み取り、RAGによる関連文書の検索、さらにAzure OpenAIを活用したリスク抽出を組み合わせて、この支援システムを構築しました。このシステムは、施工計画書を基に危険項目を確認し、リスク採点及び低減策の提示、そして確認へのフィードバック機能を提供します。
初期の検証段階では、実際の送電鉄塔工事を対象にリスクと対策の網羅性を評価。AI出力の精度を向上させるための改善を進め、信頼性が高まる結果を得ています。最近の精度検証では、鉄塔基礎や組立、伐採の各工種において、正解リスクの抽出能力向上が確認されました。
検証結果と今後の展望
6ヶ月間のデータを用いた精度検証では、出力の再現率が67.6%から76.3%に向上し、適合率も35.0%から46.1%へ改善されました。特に1件のリスクアセスメントあたりのAI生成数は大幅に減少し、業務効率を向上させることが期待されています。
ヘッドウォータースは、今後もこのシステムの改善に向けた取り組みを継続し、利用範囲の拡充や新たなドキュメントの分析を進める考えです。これにより、さらなる安全性の向上と業務支援の質を高めていく方針です。
結論
ヘッドウォータースがJ-POWER向けに構築したこの柱となるシステムは、施工計画のリスクアセスメントにAIの力を活用し、労働災害を未然に防ぐための新しい一歩となることが期待されます。今後も、安全を重視した取り組みを継続的に進め、社会インフラにおけるAI導入を推進することで、より多くの価値を提供していくことでしょう。